コンヴァンシオン経済学入門
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    商品説明
    価値の基準はいかにして生まれるのか、そしてそれはどのように用いられるのか


    レギュラシオン学派と異なり、ミクロおよびメゾの次元における経済対象を扱い、「質の慣行」に注目し、複数の価値の基準とその用いられ方を明らかにするコンヴァンシオン学派によるユニークな「制度の経済学」をさまざまな観点から紹介する


    コンヴァンシオン理論はかつては方法論的個人主義に拠っていたが、その意図は、主体間で行為が調整されるときにさまざまな水準の「慣行」が必要であることを明らかにする、いいかえれば制度的なものの次元の先行的な実在性を示すことであった。慣行としての集合的表象は、社会的諸価値の基準であり、それは狭義の経済的価値だけでなく規範的価値をも含んでいる。主体は、意思決定や計算の基準となり相互行為を可能にする尺度である「質の慣行」を参照しながら、財、人、組織、行為、出来事などの事物・事象の解釈や評価あるいは批判を行う(価値づけ、質的規定)。認知と規範のつながりとして慣行を捉える点、および価値の基準(共通善)が複数存在しそれらがいかに用いられるかを分析しようとする点が、コンヴァンシオン派の大きな特徴であろう。(「序章」より)



    ●著者紹介
    山本 泰三
    所属:大阪産業大学経済学部教授
    担当:第1章・第3章

    立見 淳哉*
    所属:大阪公立大学大学院経営学研究科教授
    担当:第1章・第2章(訳)・第3章・補論1・第6章・第7章・第13章・あとがき

    ギェメット・ドゥ・ラルキエ(Guillemette de Larquier)
    所属:リール大学経済・社会・地域学部教授
    担当:第2章

    横田 宏樹
    所属:静岡大学人文社会科学部教授
    担当:第2章(訳)・第7章・第12章

    坂口 明義
    所属:専修大学経済学部教授
    担当:第4章・補論2・補論3

    北川 亘太
    所属:関西大学経済学部 教授
    担当:補論3・第5章・第9章・第10章

    黒澤 悠
    所属:コンサルティング会社勤務、大阪公立大学大学院経営学研究科客員研究員
    担当:第5章・補論4

    金森 絵里
    所属:立命館大学経営学部教授
    担当:第8章

    クリスチャン・ベッシー(Christian Bessy) 
    所属:フランス高等師範学校パリ・サクレー校経済
    社会制度・歴史的動学研究室(IDHES)、国立科学研究センター研究部長
    担当:第10章

    除本 理史*
    所属:大阪公立大学大学院経営学研究科教授
    担当:第11章・あとがき

    服部 良子
    所属:大阪公立大学大学院生活科学研究科客員准教授
    担当:第14章
    執筆者紹介(執筆順、*は編者)
    目次
     第1部 理論編

    第 1 章 コンヴァンシオン経済学における慣行の概念  山本泰三+立見淳哉
     
     1 はじめに
     2 コーディネーション問題と市場
     3 慣行の概念(1):戦略的アプローチの視点
     4 慣行の概念(2):解釈学的アプローチの視点
     5 慣行から価値へ
     6 おわりに

    第 2 章 ゲーム理論からコンヴァンシオン経済学へ
     ルイス、ヤング、サグデン  ギェメット・ドゥ・ラルキエ/横田宏樹+立見淳哉 訳

      1 はじめに:コンヴァンシオン経済学とは
      2 デイヴィド・ルイスの慣行:コーディネーション・ゲームの合理的解決策
      3 進化プロセスの結果としての慣行
      4 ケインズ『一般理論』第12 章における不確実性と慣行
      5 コンヴァンシオン経済学:ケインズのプロジェクトの延長?
      6 おわりに:悪い慣行、ゲーム理論からコンヴァンシオン経済学へ

    第 3 章 価値と価値づけの理論的検討
     コンヴァンシオン経済学における展開  立見淳哉+山本泰三

      1 はじめに
      2 価値づけと価値論
      3 価値づけの権力
      4 価値づけと搾取:労働価値から諸価値の空間へ
      5 おわりに

    補 論 1 「生産の世界」論  立見淳哉

      1 慣行と「生産の世界」
      2 生産の可能世界について
      3 慣行による現実世界の構成

    第 4 章 貨幣と価値のコンヴァンシオン
     オルレアン説の論理構造  坂口明義 
      1 本章の概要
      2 レギュラシオン理論における賃労働関係の扱い
      3 貨幣と価値のコンヴァンシオン分析
      4 まとめ

    補 論 2 模倣欲望論とコンヴァンシオン  坂口明義

     1 はじめに
     2 ジラールの模倣欲望論
     3 交換関係の前提としての私的所有制度
     4 模倣欲望論による交換の「矛盾」の定式化
     5 模倣欲望論による貨幣の創始の説明

    補 論 3 ジョン・R・コモンズとコンヴァンシオン理論、レギュラシオン理論  北川亘太+坂口明義

    第 5 章 コンヴァンシオナリストの構成的研究と倫理的役割  北川亘太+黒澤 悠

      1 コンヴァンシオンがある、だからなに?
      2 共通善はどこから与えられるのか
      3 共通善は心理的領域のみで完結しているのか
      4 集団的行動に表れるのは1つの共通善なのか
      5 法は公共的な行為のみに関係しているのか
      6 共通善は「過去」をもとにつくられるのか
      7 探究者の倫理的役割
      8 プラグマティック社会学

    補 論 4 集団的行動から社会の像を引き出す  黒澤 悠

      1 アラン・デロジエールの実践
      2 自明の所与ではなく制度化された所与としての統計
      3 分類方法の検討と社会職業分類の開発
      4 統計の歴史と社会・権力の秩序

     第2部 応用編

    第 6 章 資本主義の変化と社会的連帯経済
     新しい地域発展の模索  立見淳哉

      1 資本主義、社会的連帯経済、そして「地域の価値」
      2 資本主義の発展と地域:「資本主義の精神」の視点から
      3 新しい地域発展理論:社会的連帯経済
      4 社会的連帯経済の実例:フランスにおける政策形成
      5 社会的連帯経済から「地域の価値」へ

    第 7 章 コンヴァンシオン経済学における企業の本質論
     コーディネーションの装置から権力統治の装置へ  横田宏樹+立見淳哉

      1 はじめに
      2 経済学における企業の本質論
      3 コンヴァンシオン経済学とコーディネーション装置としての企業
      4 権力装置としての企業と集団的創造のための統治(ガバナンス)
      5 おわりに

    第 8 章 会計のコンヴァンシオン理論的アプローチ
     「量化する慣行」「調整する慣行」「価値づけする慣行」から会計を考える  金森絵里

      1 はじめに
      2 会計という量化
      3 会計は調整する
      4 会計は価値づけする
      5 おわりに
     
    第 9 章 コンヴァンシオン理論におけるサービス研究
     社会的相互作用としてサービスをみる  北川亘太

      1 はじめに
      2 コンヴァンシオン理論におけるサービスの定義
      3 社会的相互作用における多元的な価値の(再)調整の実態と可能性
      4 サービスにおける行為者の社会的構築
      5 結  論

    第 10 章 コモンズの収奪と法的媒介者の政治  クリスチャン・ベッシー+北川亘太

      1 はじめに
      2 コモンズへのコンヴァンシオン・アプローチ
      3 特許の評価コンヴァンシオンの変容と分配的不公正
      4 結  論

    第 11 章 価値づけをめぐる政治と「地域の価値」
     水俣・水島の取り組み事例から  除本理史

      1 現代資本主義の変化と特質
      2 「地域の価値」とは何か
      3 公害地域の価値をつくる:水俣・水島の事例から

    第 12 章 社会における集団的創造としてのモノの価値づけ
     地域の木の家具を通して新しい産地社会の形成と市民との接続を考える  横田宏樹

      1 はじめに
      2 社会のなかで創られる家具の価値:自然資源としての木の役割の変化
      3 家具産地・静岡における地域の木の活用の取り組み
      4 新しい産地社会の形成と消費者としての市民との接続
      5 おわりに

    第 13 章 コンヴァンシオン理論とアートの政治経済学
     価値づけ論の観点から「アート・ワールド」を捉え直す  立見淳哉

      1 現代資本主義とアート・ワールド
      2 アート・ワールドのコンヴァンシオン:何をアートとみなすのか
      3 慣行、諸価値、価値づけ:「偉大さの経済」
      4 アート・ワールドにおける価値づけと、その変化
      5 「豊穣化の経済」とコレクション形態による価値づけ
      6 価値づけとその政治経済学

    第 14 章 日本の女性労働をめぐるジェンダーの価値づけと慣行(コンヴァンシオン)
     ジェンダーをめぐる価値についての考察  服部良子

      1 日本のジェンダー格差
      2 コンヴァンシオン経済学による日本のジェンダー現実の考察の試論
      3 日本のジェンダー現実
      4 主婦パートとジェンダー価値観

    あとがき
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