東日本大震災津波は終わらない

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東日本大震災津波は終わらない

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商品説明
岩手における被害と復興を総合的に検証し,今後の防災のあり方を全国へ提唱する。民間・大学を中心としたオルタナティブな震災報告書。


「本書の目的は,人権の保障(人間の尊厳)や生活・生業・コミュニティ活動などに着目しながら,東日本大震災からの復旧,復興等の過程を総合的に検証するとともに,今後の災害に向けた防災・予防のあり方ならびに県民のウェルビーイング,さらに持続可能な地域の実現のための提言を行うことである」(「はしがき」より)


 

●編者紹介
桒田但馬(くわだ・たじま)
立命館大学経済学部教授。2003 年立命館大学大学院経済学研究科博士後期課程期間満了退学。2007年岩手県立大学総合政策学部講師,博士(経済学・立命館大学)。2020年同教授。2022年から現職。日本地域経済学会理事長。日本地方財政学会理事。著書として,『地域・自治体の復興行財政・経済社会の課題――東日本大震災・岩手の軌跡から』(クリエイツかもがわ,2016年),『入門地方財政――地域から考える自治と共同社会』〔共編著〕(自治体研究社,2023年),『現代財政とは何か』〔共編著〕(税務経理協会,2024年)など。

佐藤博(さとう・ひろし)
公益財団法人岩手県国際交流協会理事長。2014年岩手県立大学大学院総合政策研究科博士前期課程修了。2013年岩手県総務部参事兼財政課総括課長,2014年総務部副部長,2016年会計管理者,2017年総務部長,2018年企画理事兼総務部長,2019年教育長。2023年から現職。論文として,桒田但馬との共著「岩手県の震災対応財政3年間の実態と課題(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)」(『総合政策』第16巻第2号・第17巻第1号,2015年,岩手県立大学総合政策学会)。

森本晋也(もりもと・しんや)
岩手県立図書館館長。岩手大学地域防災研究センター客員教授。1994年法政大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1994年から岩手県公立中学校教諭,2010年一関市教育委員会指導主事,2012年岩手県教育委員会指導主事,2016年岩手大学教職大学院准教授,2019年文部科学省安全教育調査官,2023年から現職。日本安全教育学会理事。論文として「東日本大震災を生き抜いた子どもたちに学ぶ防災教育」(『社会科教育研究』146号,2022年,日本社会科教育学会)など。
目次
 はしがき  〈桒田但馬〉
  ―「生と死の災害論」―


第Ⅰ部 復興検証【総論】

第1章 検証のフレームワーク
    ――岩手を中心に 〈桒田但馬〉

 1 災害の特徴と被害の構造
 2 災害のタイムラインとその捉え方 
 3 復旧・復興の主体の基本  
 4 復興計画  
 5 なぜ検証なのか 

第2章 生活  〈桒田但馬〉

 1 避難所 
 2 仮設住宅 
 3 住宅再建
 4 災害公営住宅 
 5 岩手県の独自支援 
 6 面的整備事業の根本的問題

第3章 生業  〈桒田但馬〉

 1 地域経済の変化
 2 漁業の共同化は何を問うたのか
 3 中小企業の共同化は何を問うたのか 
 4 共同・連携の成果と課題
 5 全般的な再建課題  

第4章 地域コミュニティ  〈広田純一〉

 1 地域コミュニティとは何か?
 2 地域コミュニティの被災 
 3 震災復興のプロセス 
 4 地域コミュニティの復興
 5 地域コミュニティの復興をめぐる課題と教訓


第Ⅱ部 復興検証【各論】

第5章 復興政策を考える  〈津軽石昭彦〉

 1 自治体政策の一丁目一番地としての防災と復興  
 2 東日本大震災における復興計画の概観  
 3 復興政策を考える論点  
 4 結びにかえて  
   ――震災からコロナ禍までの間の国と地方の関係性の変化

第6章 災害対応財政  〈桒田但馬〉

 1 岩手県と県内沿岸市町村の震災対応財政の特徴 
 2 被災者支援総合交付金 
 3 東日本大震災津波復興基金  
 4 災害対応財政の課題  

第7章 市町村の面的整備事業とUR都市機構の支援  〈小田島永和〉

 1 面的整備事業が目指したこと  
 2 市街地整備事業の振り返り  
 3 平時からの備え  

第8章 災害公営住宅と地域コミュニティ  〈桒田但馬〉

 1 災害公営住宅の概況  
 2 災害公営住宅の維持管理とコミュニティ形成  
 3 課題整理  

第9章 災害と教育  〈森本晋也・藤岡宏章・本山敬祐〉

 1 被災状況  
 2 学校の再開と震災後の教育活動の展開  
 3 中長期的な取り組み  
 4 教育分野の災害対応の検証と今後の課題 

第10章 文化財レスキュー  〈目時和哉〉

 1 現在進行系の文化財レスキュー
 2 4つのフェーズ 
 3 文化財レスキューの具体的展開 
 4 「次」へ向けた提言 
 5 「文化財の残らない復興は本当の復興ではない」

第11章 誰のため,何のための震災遺構か  〈坂口奈央〉

 1 「震災遺構」のイメージ  
 2 負というインパクト  
 3 モノの特性  
 4 岐路にたたずむ震災遺構  

第12章 議会・議員と災害対応  〈伊藤力也〉

 1 東日本大震災復興を目指す自治体への議会からの政策提言活動  
 2 多重・複合災害をもたらした大規模林野火災にみる課題と対応

第13章 地元メディアからみた災害対応  〈太田代剛〉

1 東日本大震災時の岩手日報社
   ――生と死に向き合うきっかけ
 2 心の復興
   ――生と死をどう伝えるか
 3 犠牲者の生きた証し「忘れない」の連載
 4 地元メディアの使命

第14章 宮城からみた岩手の復興検証  〈今川悟〉

 1 気仙沼市で感じた境界線  
2 災害危険区域の異なる指定条件  
 3 災害公営住宅の家賃減免でも

第15章 原発事故からの復興?末  
     ――福島から見えてくること  〈山川充夫〉

 1 生きることから  
   ――人間の復興
 2 生きるための多様な選択肢  
   ――複線型復興
 3 よりよく生きるために 
   ――必要な労働・仕事・活動
 4 期待されるコミュニティ  
   ――あったのか/どうつくるのか
 5 失ってわかるふるさとの価値

第16章 〈座談会〉震災と復興は,地域と若者をどうつないだのか  〈菅野道生・中沢翔馬・川原直也〉

 1 震災との出会い  
 2 動けた世代,動けなかった世代  
 3 復興に関わる「大人」との出会い  
 4 「つなぎ,支える側」への役割の移行  
 5 地域と若者をめぐる変化
 6 「震災を知らない若者」と,ともに地域をつくる


第Ⅲ部 防災提言【総論】

第17章 災害から学ぶ危機管理の教訓  〈越野修三〉 

 1 なぜ危機への対応がうまくいかないのか  
 2 危機とは何か  
 3 危機対応をどのようにしたら良いのか  
 4 いろいろな災害をイメージできるか  
 5 実践的な訓練の重要性  
 6 危機管理の7つの教訓

第18章 〈座談会〉「いわての復興教育」の課題と可能性  〈森本晋也・藤岡宏章・坂口奈央・本山敬祐〉

 1 座談会の趣旨と「いわての復興教育」の意義  
 2 復興教育が子どもたちに浸透していない課題 
 3 子どもの参画と教育のあり方  
4 家庭・地域との連携と教育の広がり  
5 復興教育の内陸での取り組み  
6 教育と文化,知恵の継承  
7 死と向き合う教育の必要性


第Ⅳ部 防災提言【各論】

第19章 地域主体の復興・防災を支える地域計画  〈及川一輝〉

 1 問題設定と本章の立場 
 2 地域主体の復興の位置づけ  
 3 地域計画の運用枠組み  
 4 条件整備

第20章 公共施設マネジメントと住民負担  〈上森貞行〉

 1 公共施設の維持管理の課題  
 2 建築物のライフサイクルコスト  
 3 財務省,財政制度等審議会・財政制度分科会の議論  
 4 公共施設マネジメントの現状  
 5 維持管理費用の議論  
 6 被災庁舎の再建事例比較  
 7 総合管理計画の今後の方向性

第21章 無意識系インフラから意識系インフラへ
     ――上下水道における住民参加と強靱化の展開  〈吉岡律司〉

1 構造的変化と不連続な災害  
   ――上下水道の持続可能性を問う
 2 水道の世代区分とシステム転換  
   ――「無意識系」から「意識系」へ
 3 新水道ビジョンの再考  
   ――「強靱」と住民協働の方向性
 4 重層的住民参加  
   ――無意識の水道を「わが事」に
 5 社会的ジレンマ  
   ――住民の変容と合意形成
 6 第4世代水道の展望 

第22章 中小企業と災害・防災対策   〈菊田哲〉

 1 生命を守る砦としての中小企業  
 2 中小企業の経営課題と果たすべき防災の役割  
 3 人間尊重の企業づくり,地域づくりを目指して

第23章 〈座談会〉若手職員からみた防災の行政・まちづくり  〈佐藤博・渡邊智裕・高橋翔・高橋竜介・菅原将樹〉

 1 15年を経過したいま意識していること
 2 地域の「レジリエンス」と「身の丈」  
 3 行政の役割と多様な主体の連携  
 4 DX, 公民連携,そして「つながり」の重要性  
 5 想定外の事態と平時からの備え  
 6 「ウェルビーイング」と次世代への継承 

第24章 東日本大震災津波以降の災害が問う防災  〈桒田但馬〉

 1 1990年代以降の災害の激甚化と地域社会・経済への影響  
 2 公的支援の見直しと防災の基本課題  
 3 防災の具体的な取り組み
  
第25章 検証から提言へ  〈齋藤徳美〉

 1 岩手県の復興計画の策定まで  
 2 次世代へのメッセージ
  
 あとがき  〈佐藤博〉
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