医療と映画が交差するところ
シネメデュケーションへの誘い
『赤ひげ』『レナードの朝』『カッコーの巣の上で』から、『万引き家族』『PERFECT DAYS』『ナミビアの砂漠』まで
映画を通して医療問題を考え、医療問題を通して人間の生き方を考える
家庭医・総合診療医でありながら自身で映画製作も行う著者が、「医師と患者」「終末期・死・生命倫理」「精神医療」「社会的脆弱性と医療」「ウェルビーイング」の5テーマに関わる30作品を、医療の視座で読み解く。映画を活用した医学教育「シネメデュケーション」についても解説。
医療・ケアに携わる人や医師を志す人の「生きた」学びに役立つのはもちろん、映画を愛するすべての人に新しい扉を開く。
映画と人間への真摯なまなざしにあふれた、熱い映画本。読んで観て、観て読んで、ますます映画が好きになる。
本書が、医療に携わるプロフェッショナル、それを志す瑞々しい感性を持った学生、そして映画を愛するすべての人にとって、新しい世界を覗くための扉となることを願っている。まずは客席に腰を下ろすような心持ちで、気になる作品のページから触れてみてほしい。そこには、日常の臨床だけでは出会えない、人間という存在の深淵や新しい風景が広がっているはずだ。
(「はじめに」より)
●著者
孫 大輔(そん だいすけ)
2000 年東京大学医学部卒。腎臓内科、総合診療・家庭医療を専門として勤務した後、2012 年より東京大学医学教育国際研究センター講師。2020 年より鳥取大学医学部地域医療学講座に所属し、現在は准教授。著書に、『対話する医療―人間全体を診て癒すために』(さくら舎)、『臨床と宗教―死に臨む患者へのスピリチュアルケア』(南山堂)、『ダイアローグ〈対話〉のはじめかた―医療・福祉にかかわる人のための対話哲学レッスン』(医歯薬出版)など。また、医療をテーマとした短編映画『下街ろまん』『うちげでいきたい』『どうして空は青いのか』を製作。病いと日常、専門と生活のあいだに立ち上がる〈対話〉の場に関心を寄せる。