本教科書は,工学系大学の学生が身につけるべき電気回路についての,必要最低限の知識と技術を習得することを目的としている。
そのため,まずは「講義」で電気回路についての知識や計算方法を座学で習得した後,次回の「実習」で前回学んだ電気回路をブレッ
ドボード上に実際に組むことで,電気回路の基礎を修得できるように工夫している。
また,この教科書の読者は主に大学初年次の学生を対象としているため,誤差や有効数字といったデータの取り扱い方や,レポート作成によるデータのまとめ方の修得にも力を入れている。
電気回路を実際に触ってみることでその技術を身につけることも重要であるが,得られた結果をどのようにまとめるか,その結果と理論から予想される標準値との違いや,誤差の原因についても考察し,研究者として自ら問題点と向き合いながら勉強と実践を繰り返す姿勢を身につけてもらいたい。
この教科書で学ぶ電気回路は,大学の高学年で学ぶ専門的な知識や技術には及ばない,基礎的な内容である。しかし,この教科書を通して電気回路の基礎を修得し,今後進学や就職をする上で,読者諸君の将来への展望につながることを期待する。(「はじめに」より)