◆第一句集
全天を溢れて山の星涼し
この先にも一筋縄にはいかないことが、おそらくあるだろう。だが、まっすぐに澄んだまなざしのまま、豊かに涼やかに詠み進んで欲しい。
(序より・髙田正子)
◆自選十句
大寒や海の匂ひの子を産みて
添へ乳する背にも子の来る夜寒かな
汗の子の睡る重みとなりてゆく
灯ともせば闇の近づく秋の暮
ひとりごと多き夫なりめうがの子
柚子湯して子とたましひの話かな
遠き日にひとり夕焼を発ちしこと
をさなごの来れば焚火の匂ひして
缶切も栓抜もなし鳥雲に
いなづまのしづかに明日をかなしみぬ