◆第十句集
直立すジャコメッティのような秋
「靑蝉」は、ひぐらしを指す言葉。
晴耕雨読の日常を『靑蝉抄』としてまとめた。
(あとがき)
◆自選十二句
どこまでも途上仰ぎつつゆく冬銀河
地球の隅でこおろぎと生きている
さあ帰ろかなかな遠く近く鳴く
兜太の忌真神は遥かきぶし咲く
ここまで来て山吹の黄と揺れている
大那須野よこぎってゆく黒揚羽
水は詩神十月の水透きとおり
直立すジャコメッティのような秋
八月の翳八月の消えない影
星涼し地球のひとつぶの涙
黄落の大地つぎつぎ壊れゆく
秋光曳く石見の少女水の精