◆百句シリーズに黛執が登場!
自然との関わりの中に人間存在のまことを探る
◆解説より
本書の執筆に当り一番苦労したのは、百句に絞り込む作業だった。「選は創作なり」虚子の言葉が重く響いた。本当にこの百句でよいのか、より佳い句を見落としていないか……。自問自答はやがて亡き父との対話になっていった。
執の句には、季語がどっしりと据えられている。また一語も動かしようのないところまで言葉をとことん切り詰めている。
執は俳句の「型」を尊重し、その形式の恩寵を享受した。俳句は辛抱の文学だ。個の主張やレトリックが、俳句においてはいかに虚しいものかを知っていた。
また「調べ」を重視した。言葉の風致で意味を描き出すのが俳句だとしていた。