1945(昭和20)年8月、太平洋戦争に敗れた日本は、マッカーサー元帥率いる連合国軍総司令部(GHQ)の占領下に置かれました。
GHQは全国の都道府県に「地方軍政部」を設置し、各地の民主化改革の進み具合を定期的に報告させました。その改革は、公安や教育、選挙といった治安・思想に関わるものから、農業、福祉、公衆衛生など、人々の身近な暮らしに直結するものまで多岐にわたります。英文タイプで事細かに記録されたこれらの報告こそが、それまでの基本システムを全面的に書き換え、戦後の民主主義国家の基礎となり、本年公布80周年を迎えた日本国憲法の制定へと結びついてい結びついていったのです。
本書は、著者の一人が1999年に米国立公文書館から発掘した、長野軍政部「第78中隊」の貴重な報告書(1945~46年)を基に編集し、書き下ろしを加えたものです。
英文の報告書を読みやすく翻訳し、分野ごとに再構成。戦後の「空白の1年間」に、県内各地の現場で民主化作業がどのように進められたのか、その生々しい実態をたどります。敗戦に至る裏事情や、占領軍がやってきた当時の様子、軍政の仕組みなども詳しく解説。激動の時代を振り返りながら、現代につながる「民主化の道のり」と「戦後の意味」を考える一冊です。