神像の歴史を振り返ると、神仏習合現象がその成立に大きくかかわっており、次いで中世に盛んになる本地垂迹説は、神・仏を同一視することにより、その複合的形体を生み出してきた。これまでの神像史研究において、記紀神話の神々や祖先神・地域神のみならず、奈良時代からの修験道・陰陽道の神々についても言及されてきたが、それらは区別されずに一括して同じ神像として扱われてきた。
そのような現状に鑑み、本書では神仏習合・本地垂迹説による神像と、修験道・陰陽道の神像との差を明確にすべく、別々の部を設けて、わが国の神像史をひもとく。そのほかに、重要作品についての各個研究、および神像の周辺領域である動物彫刻、仮面、古神宝にもそれぞれ一部を与え、『神像の研究』三部作の完結とする。