待望の増補改訂版が出来!
中国の文豪、魯迅(周樹人)は仙台医学専門学校で学ぶために一九〇四(明治三四)年に来仙し、解剖学を担当していた藤野厳九郎教授から、その授業ノートに懇切丁寧な添削を受けた。この勉学は一年七ヶ月に及んだが、一九〇六(明治三六)年三月、魯迅は志を医学から文学に変更し、東京に次弟の周作人らと居を定め、職業作家・翻訳者としての道を歩み出す。
魯迅の短編小説『藤野先生』は、中国人留学生の魯迅(周樹人)と日本人教授・藤野厳九郎との、深い師弟愛を描いた名作であるが、本書では魯迅の学生生活、交友関係、藤野教授の指導と添削ノート(カラー刷)などが詳しく紹介され人物像が明らかにされている。
初版本はたちまち売り切れ再版が待たれたが、さらに調査結果を収録した増補改訂版となった。
この増補改訂版には、発掘された新たな史実に基づいて再構成された演劇「遠い火─仙台における魯迅」のシナリオも掲載されている。太宰治の小説『惜別』とは別の視座から「仙台における魯迅」の文学的再創造をめざすものとして紹介されている。