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商品説明
 本書は、長年にわたり共同研究を続けてきたSGCIMEによる、グローバル資本主義の展開と変質のもとでますます重要性を高める「グローバル・サウス」、なかでも中国経済に焦点を当てた一連の共同研究の成果である。
 宇野弘蔵は、資本主義の基礎理論を原理論として純化させるとともに、資本主義の発展段階を対外経済政策の類型を基準として「重商主義-自由主義-帝国主義」の三段階として明らかにした。そして第一次大戦後の資本主義を社会主義への過渡期と位置付け現状分析の対象とした。
 しかし第二次大戦後、アメリカを中心とするパックス・アメリカーナ体制が確立して新たな発展を見せ、他方でソ連・東欧の社会主義体制は崩壊して、中国をはじめ多くの旧社会主義国家が資本主義のシステムを取り入れている。こうした事態は、宇野段階論に基づく現代資本主義論にも大きな見直しを迫るものとなっている。
 本書第1章の執筆者である河村哲二は、宇野段階論を批判的に継承発展させる理論フレームワークを展開してきたが、その特徴は第二次世界大戦以降の発展段階を「パックス・アメリカーナ段階」と規定し、第一次大戦以前を「パックス・ブリタニカ段階」として再構成するものである。その理論的射程は、資本主義の発展段階論にとどまらず、原論体系の再構成から現代世界分析の理論的フレームワークに至るまで重要な役割を果たし、本書全体を貫く視角となっている。
目次
序 章   土肥 誠・河村哲二
第1章「グローバル・フレームワーク」の変質と中国経済
    ──パックス・アメリカーナ段階の変質の視点から
    河村哲二
第2章 グローバル資本主義の変容と中国経済
    ──「新帝国循環」の側面を中心として
    土肥誠
第3章 デジタル人民元の可能性と近代世界システムの行方
    今井慧仁
第4章 米中半導体戦争とトランプ2.0
    ──グローバル・サプライチェーンの変容とパックス・アメリカーナの動揺
    佐藤公俊
第5章 中国の不動産危機の起源
     ──旧ソ連の住宅政策との比較で
    星野富一
第6章 都市におけるグローバル大衆の外縁化と都市の静かな死
     ──インド系ディアスポラ・帝国・パクス・アメリカーナの観点から
    加藤眞理子
第7章 東アジア・中国の経済発展と宇野三段階論の再編成
    新田滋
第8章 補論 段階論の再検討
     ──宇野理論と「段階論第二波」の検討をとおして
    樋口均
コラム 樋口均教授の研究姿勢   岡田徹太郎
コラム 樋口均さんを悼む──もう少し時間を
    青才高志
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