本書は,筆者がこれまで経験してきたよくある在宅医療の事例を26のパターンに整理し,本人・家族・医療介護チームがどう関わるべきかという方針を,できる限りわかりやすく提示しています。
掲載している事例は,すべて筆者と患者さんやご家族とのやりとりも詳細に記載されています。パターンにまとめつつも,個別のケースに対する課題の抽出や,筆者ならではの考察がなされています。
在宅医の先生方はもちろん,看護師,介護士,ソーシャルワーカー,管理栄養士,言語聴覚士など,在宅医療で患者さん,ご家族とかかわるすべての医療従事者の方に,読んでいただけましたら幸いです。
本書「はじめに」より―― 一見,難しいと感じるケースでも,振り返ってみると以前に似たような場面を経験しているということは少なくありません。人の最善は一人ひとり異なり,本人の状況や思いを丁寧に汲み取りながら柔軟に対応することが大切なのは言うまでもありません。しかし,行き当たりばったりの対応を繰り返すのではなく,これまでの経験をひとつの「パターン」としてとらえ,支援者としての確固たる方針を持っておくことができれば,困難な場面でも落ち着いて,自信を持って関わることができます。