第1編 総 論
第1章 企業に求められるカスハラ対策──なぜ今、カスハラ対策が経営課題なのか
第1 はじめに
第2 カスハラ以外のハラスメントの法律問題
第3 カスハラの法律問題
第4 カスハラ対策の意義
第2章 法改正による措置義務化
1 改正労推法について──カスハラ対策義務化の法的枠組み
第1 法改正の経緯と概要
第2 カスハラの定義・防止措置等
第3 BtoB カスハラへの対応
第4 責務(努力義務)の定め
第5 そのほかの改正点
2 厚生労働省の指針について──実務対応の拠り所となる指針の読み方
第1 指針の全体像
第2 カスハラの定義(指針2)
第3 カスハラの類型
第4 カスハラに関する責務(指針3)
第5 法律・指針に加えて参照すべきもの
第3章 カスハラ防止条例について
1 東京都などの理念型条例について──責務規定を通じた対策機運の醸成
第1 はじめに
第2 基本理念等
第3 定 義
第4 各主体の責務
第5 条例による取組みの意義
2 特色ある条例について──抑止力としての条例とその射程
第1 全国各地のカスハラ防止条例
第2 行為者の氏名公表──桑名市カスハラ防止条例
第3 公表制度
第4 罰則付き条例の制定の動き
第2編 対外的関係
第1章 契約締結段階
1 契約締結拒絶──カスハラ顧客と「契約しない」という選択
第1 契約自由の原則
第2 契約自由の例外
2 出入禁止措置──店舗・施設からの排除とその法的根拠
第1 はじめに
第2 出入禁止措置の意義
第3 出入禁止措置の法的根拠
第4 出入禁止措置の有効性と限界
第5 実務上の対応ポイント
第2章 契約管理段階
1 弁済の提供──受領を拒む相手方への債務履行の確保
第1 はじめに
第2 債務の履行に関する基本的な考え方
第3 弁済の提供の要件と効果
第4 実務上のポイント
2 ビジネスネームの問題──従業員の氏名・個人情報を守る工夫
第1 ビジネスネームを名乗ることについて
第2 ビジネスネームを付した文書の利用
第3章 契約解消段階
1 サービス中止、契約解除──カスハラを理由とする契約関係の解消
第1 はじめに
第2 カスハラ条項がない場合のサービス中止・契約解除
第3 カスハラ条項の意義・機能
第4 カスハラ条項の有効性①──消費者契約法の適用がある場合
第5 カスハラ条項の有効性②──消費者契約法の適用がない場合
第6 暴排条項の行為要件をカスハラ条項として活用できるか
第7 定型約款規制との関係──カスハラ条項の新設・変更
第8 条項設計の工夫──履行場所の変更条項等
第9 実務上のポイント(まとめ)
2 不当要求対応、関係遮断──エスカレートする要求への対応と接触の遮断
第1 はじめに
第2 関係遮断のための差止請求の活用
第3 関係遮断のための債務不存在確認請求の活用
第4 カスハラに対する法人の防衛措置と法的正当性
3 損害賠償請求──カスハラ行為により生じた被害の回復①(加害者への請求)
第1 損害賠償請求の全体像
第2 一般不法行為に基づく請求
第3 使用者責任に基づく請求
第4 約定による請求
第4章 その他の問題
1 BtoB の問題──取引先からのカスハラにどう向き合うか
第1 はじめに
第2 BtoB カスハラに関する法的義務と特徴
第3 自社の従業員が被害を受けた場合の法律関係
第4 自社の従業員が加害者となった場合の対応
第5 契約による補充設計
第6 おわりに
2 公務員の問題──行政窓口における住民対応の限界
第1 はじめに
第2 おわらない電話(架電)と面談強要──原則と法的限界
第3 裁判例の差止要件と実務上の対応打切り
第4 各自治体の実務例
第5 残された課題
3 障害者差別解消法の問題──合理的配慮とカスハラ対応の境界線
第1 はじめに
第2 障害者差別解消法の概要
第3 合理的配慮の提供義務とカスハラ対策
第4 障害者からのカスハラへの対応
第5 カスハラ防止指針における障害者差別解消法への留意点
第6 カスハラ対策と障害者差別解消法を整理する判断枠組み
第7 実務対応上の留意点
第8 小 括
4 刑罰法規との関係──犯罪となるカスハラ行為と刑事手続の活用
第1 はじめに
第2 各犯罪類型の解説
第3 カスハラ対応の実務
5 録音・録画をめぐる問題──証拠化の実務と顧客による撮影への対応
第1 はじめに
第2 従業員による無断録音・録画の適法性と証拠能力
第3 録音・録画と個人情報保護法
第4 顧客による録音・録画への対応
第3編 対内的関係
第1章 防止措置の問題
1 防止措置の義務化──改正法が事業主に求める義務の内容
第1 はじめに
第2 基本的な防止措置
第3 特徴的な防止措置
第4 望ましい取組み
第5 防止措置義務違反等について
2 雇用管理上の留意点──相談体制の整備から被害者ケア・再発防止まで
第1 不利益取扱いの禁止
第2 人事評価
第3 配置転換
第4 その他
3 組織体制の問題──現場任せにしないカスハラ対応体制の構築
第1 はじめに
第2 相談体制整備に関する法的義務
第3 カスハラ相談窓口に求められる機能
第4 窓口の設計方法
第5 その他の法的論点
第2章 労災・安全配慮義務の問題
1 労災認定の問題──カスハラ行為により生じた被害の回復②(労災保険)
第1 労災保険制度とカスハラ
第2 労災保険制度の概要
第3 カスハラと労災認定
第4 カスハラ事案における認定基準の運用
第5 第三者行為災害とカスハラ
2 安全配慮義務の問題──カスハラ行為により生じた被害の回復③(使用者への請求)
第1 使用者の安全配慮義務とカスハラ
第2 安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求
第3 安全配慮義務違反の認定における労推法措置義務の影響
第4 労推法以外の法令への留意──長時間労働・過重業務が併存する場合
第3章 就業規則・社内規程等の問題──社内ルールへの落とし込みと規程整備のポイント
第1 はじめに
第2 カスハラ防止指針が求める水準
第3 社内規程への定め方と周知の方法
第4 規程の整備例
第4章 加害従業員への事前・事後対応──自社従業員が加害者となった場合の備えと対処
第1 総論──本章の視点と他章との関係
第2 労推法との関係で加害企業に要請される行為
第3 加害企業側の対応
第4 加害従業員(行為者)への懲戒・人事労務上の措置
Column 「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」について
Column 「カスハラ学」の確立へ