2030年代の半ばには、雇用の前提は今と完全に別のものになっています。雇用の激変と移行が本書の主題です。
著者はこれまで多くの組織や企業において、雇用関係の法的支援や制度構築の支援、またそこから発展した事業企画支援などのコンサルティングをしてきた中で、同じ風景を見てきました。
それは雇用の激変の中で視野が限定されているが故に出てきている状況だと言えます。
■人材戦略を作ってもそこには会社の成長につながる軸がなく、借り物の考え方や概念を基にした「あるべき姿」だけが書かれており、結局、引き出しに消えるだけ。
■法改正が来ても経営層は無関心、ないしは法改正の含意を見通していない。対応は人事部の片隅で処理されるだけ。
■AI・Digital Transformation(DX)等の先進技術が部署ごとにバラバラに導入され、会社組織全体の方向性と効果的に接続されていない。
■社労士やコンサルタントの方が意味のある最新情報を届けても、顧客である会社トップの経営判断を動かせない。
■HR・人事サービス系事業者の方が、自社サービスの強みが分かっていても、それを社会の文脈の中で効果的に打ち出せていない。
■HR・人事サービス系事業者の方が、セミナー参加率や営業のコンバージョンが伸び悩み、そこから会社全体の事業について中長期における見通しを描けない。
多くの企業のさまざまな立場の方と関わり、多くの実務家と対話してきた中で、今、列挙したこれらの問題は知識や能力の不足ではないと確信するに至りました。実は、各企業の活動の中に「答え」はあるのですが、それが適切に言語化されていないか、社会の方向性との接続が見えていないだけなのです。
本書が提示する「雇用世界観」は、その「答え」を言語化し、あなたの会社と仕事を良い方向へ動かす触媒です。「雇用世界観」に触れて、あなたの会社に対する違和感や疑問が自社固有の形で言語化された瞬間(本書ではこれを「雇用世界観の実装」と呼びます)に、先に列挙した問題は解決され、壁は突破されます。その考え方と具体像を本書であますところなくお伝えします。