伊藤亜紗さん推薦
「ケアの土台をめざめさせる音、音楽する人々の息吹を寿(ことほ)ぐ言葉」
セッションがはじまれば、私たちは同じ世界で生きられる。
自分の世界にたたずむ人々、かかわり方に悩むケアラー。
すれ違う現場で、みながセッションに巻き込まれ、ケアする人も救われる。
ズレとつながりが交錯する地点から、ケアとしての音楽療法を問う。
――「はじめに」より
このセッションで私は、みんなで同じことをすることが「目的」だと思い込んでいた自分に気づかされた。
曲にのせられて、次の曲への期待感に身体が反応して、いつの間にかそれぞれのノリだけれど一緒にやっている。
そして一緒に止まる。
それはすべてあくまで「結果」なのである。
やりたくない人ややりたくないときはしなくていい、それぞれがそれぞれのタイミングややり方で参加すればいい、
というミュージック・ケアのセッションは、障害の有無や年齢差から抜け出して、
ただその空間を共有できる喜びを思い出させてくれた。