●相続税申告における土地評価は、税理士にとって常に知識のアップデートと現場での応用力が問われる非常にタフな業務です。近年、土地評価を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。かつての「広大地通達」の廃止と「地積規模の大きな宅地」の創設にとどまらず、レッドゾーンや土壌汚染地・埋蔵文化財包蔵地の評価手法の明確化など、評価通達の見直しが頻繁に行われています。こうした状況下において、評価通達の字面だけを追って形式的な当てはめを行おうとすると、時に現実の土地の価値と大きく乖離し、結果として納税者に過大な負担を強いてしまうリスクが生じます。
●本書は、税理士・不動産鑑定士として豊富な実務経験を持つ筆者が、税理士が現場で真に直面する判断の迷いを解消するために執筆した実践的ガイドです。公図や課税明細書だけでは見抜けない「分有私道」「登記地積と課税地積のズレ」、現地調査で初めて気づく「庭内神し」「セットバック」など実務のリアルな課題を、筆者が実際に直面した24のケーススタディとして厳選し収録しています。
●各事例では、単なる評価手順の解説にとどまらず、過去の裁決例や裁判例、質疑応答事例を豊富に引用し、判断の根拠を明示しています。さらに、想定整形地の作成支援ソフトを用いた具体的な図解や、役所調査で確認すべきポイントを視覚的に提示。明日からの実務にすぐ組み込めるノウハウを詰め込んでいます。複雑化する土地評価実務の最前線で戦う税理士の方々の座右の書にしていただきたい一冊です。