肥満について考える

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商品説明
◆「肥満」という身近な問題を通して、法哲学を説明するユニークな入門書◆
肥満をめぐる政策という身近な社会問題を素材にした法哲学の入門書。具体的な問題から出発し、また、経済学を経由することで、ものの見方や前提モデルを疑い、反省するという法哲学の本質的な実践を図る。肥満を「個人の自由な選択」と捉えて政府の介入を否定する自由放任主義と、「非合理な選択」と捉えて介入を肯定するパターナリズムの2つの対立を扱う。この対立の背景には「合理的選択理論」と「行動経済学」という経済学上の論争が強く影響している。そのため、本書は「肥満の経済学」という隣接領域を経由しながら、社会問題に対する人々のものの見方や前提モデルを反省し、法哲学を実践的に学ぶことを目的としている。

リバタリアン・パターナリズムや合理的肥満理論、食の砂漠論、無知仮説、貧困仮説、文化仮説など、法哲学という山の中に入り、山の空気、風のざわめきを味わい、立ち止まって肥満の前提を明確化し、問い直す。法と哲学新書第8弾。

【本書のポイント】
★法哲学の視点で肥満を考える
個人の自由と国家の規制の境界線を検証するための題材として、アメリカなどで深刻化する肥満問題を取り上げる。
★リバタリアン・パターナリズムの功罪
ナッジ等を用いて「押しつけがましくなく」健康な選択へ誘導する手法ですが、エリート主義的な「上から目線」や多様性の無視という問題がある。
★合理的肥満理論とその限界
肥満を「本人がコストと便益を計算した上での合理的な選択」とみなす経済学的な視点は、時間不整合や自己責任の押しつけ(脂肪税など)という課題がある。
★「個人の選択」モデルからの脱却
上記2つの理論はいずれも「肥満は個人の選択の結果」という前提に立つ「同じ穴のむじな」であり、個人の選択だけに原因を求めるアプローチには限界がある。
★「食の砂漠(フードデザート)」という環境要因
新鮮で健康的な食品を手に入れられない地理的・経済的環境に着目し、個人への介入ではなく、社会環境の改善から肥満と低栄養状態を解決する「優しい理論」への転換を提案。
目次
『肥満について考える ― 少し変わった法哲学入門』(法と哲学新書)

  若松 良樹 (学習院大学法務研究科教授)著

🔶Ⅰ  肥満の見方

1 肥満が止まらない―アメリカにおける肥満
2 どうして法哲学が?
3 本書の構成

🔶Ⅱ リバタリアン・パターナリズムによる華麗な一撃

1 パターナリズムとは何か?
2 上から目線ではないパターナリズム
3 押しつけがましくないパターナリズム
4 リバタリアン・パターナリズムの二つの難所

🔶Ⅲ 合理的肥満理論の奇妙な診断

1 合理的な肥満
2 内的整合性という合理性
3 合理的肥満理論の処方箋
4 合理的肥満理論の難所

🔶Ⅳ 同じ穴のむじな

1 すれ違う論争
2 熟慮的な選択か、実際の選択か
3 選択モデルで十分か

🔶Ⅴ 食の砂漠はどこにある?

1 食の砂漠という概念
2 食の砂漠の評価

🔶Ⅵ 旅の終わりに

1 肥満の見方
2 反省の仕方
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