はしがき
第1章 流域圏生態系における生物多様性の喪失と保全
はじめに
1 流域圏生態系における生物多様性の喪失の現状とその要因
2 第2の危機の例
2.1 シカ害の拡大
2.2 シカ害による森林生態系の生物群集への影響
2.3 クマ被害の急増と拡大
2.4 人口減少がもたらす里地里山の管理放棄と生物多様性の喪失の検証事例
3 気候変動、特に温暖化の影響
4 再生可能エネルギーの推進と生態系・生物多様性の保全
5 本書の構成
5.1 流域圏生態系を捉える
5.2 生物多様性を脅かす要因と解決への取り組み
5.3 アプローチ法
おわりに
第2章 社会と気候変動下における人と生態系:新たなアプローチ「宇宙からの民俗学」の導入
はじめに:異なる流域ごとの景観
1 根尾谷淡墨桜と人々の係わり
2 根尾谷断層と人々の係わり
3 能郷の能・狂言と人々の係わり
おわりに
第3章 水生昆虫の保全と気象極端化
はじめに
1 水生昆虫の衰退
2 気象極端化による影響の顕在化
2.1 気温の上昇に伴う昆虫への影響
2.2 対馬におけるアキアカネの減少と絶滅
2.3 干ばつ影響
2.4 干ばつ影響の俯瞰
3 気象極端化の影響緩和はできるのか?
3.1 人工池による対策
3.2 個体群の強靭化に向けて
おわりに
コラム1 同位体分析
第4章 釧路湿原の希少動植物と環境変化
はじめに
1 釧路湿原の生きもの
1.1 動物(脊椎動物)
1.2 昆虫類(節足動物)
1.3 植物・植生
2 釧路湿原周辺域の開発の歴史とそれに伴う変化
3 太陽光発電の急増とそれに伴う変化
3.1 太陽光発電施設の急増
3.2 生きもの(希少種)への影響
4 自然環境の変化とそれに伴う希少種生息状況の変化
4.1 エゾシカの急増
4.2 魚類の減少
4.3 土砂流入
4.4 外来生物
4.5 気候変動
5 保全と生態系再生:河川、湿原、森林、水循環
おわりに:今後の課題
第5章 平野のクリーク網と魚の多様性
はじめに:クリークとは
1 平野に広がるクリーク網
1.1 クリーク網の発達と歴史的価値
1.2 クリークの多面的機能
2 クリークの魚たち
2.1 クリークに出現する魚たち
2.2 魚たちの豊かな種多様性のわけ
3 クリークの魚たちが減っている!
3.1 県ごとに減っている程度は異なる
3.2 ニッポンバラタナゴ・タイリクバラタナゴの雑種化問題
おわりに:水共生学の観点から
第6章 環境DNAからみる魚の分布
はじめに
1 環境DNA分析
2 流域規模の魚類分布
3 環境DNAを用いた流域規模の魚類分布把握の事例
3.1 環境DNAの分析手順
3.2 環境DNAデータの解析
3.3 環境DNAを用いて流域内の魚類分布を明らかにする
おわりに
第7章 雨を蓄える:東南アジア大陸部の水管理とコミュニティの知恵
はじめに
1 雨の恵みをいかす:農村の日常と水
2 雨を蓄える歴史:古代クメールの水管理
3 水をめぐる共助と変容:コミュニティの知恵と課題
おわりに
コラム2 陸水の水位のリモートセンシング
第8章 仏領インドシナにおけるマングローブ保留林の成立:1911年の政策決定プロセスを中心に
はじめに
1 インドシナにおける森林行政と森林管理
1.1 インドシナの森林行政
1.2 仏領インドシナの林地制度
2 2つのマングローブ・プロジェクト
2.1 コーチシナのマングローブ保留林
2.2 トンキンのマングローブ植林
おわりに
第9章 社会生態系の変化と外来種の侵入
はじめに
1 社会生態学的視点で捉える人間の活動と外来種
2 琉球列島の外来種問題
3 琉球列島の外来両生類
3.1 ウシガエルの侵入の経緯と現状、その対策
3.2 シロアゴガエルの侵入の経緯と現状、その対策
3.3 オオヒキガエルの侵入の経緯と現状、その対策
おわりに
第10章 琉球列島に生息する絶滅危惧水生昆虫の域外保全および野生復帰の取り組み
はじめに
1 域内保全と域外保全
2 野生復帰
3 域外保全および野生復帰の有効な点と問題点
4 琉球列島に生息する絶滅危惧水生昆虫の域外保全の取り組み事例
4.1 具体的事例①:フチトリゲンゴロウ
4.2 具体的事例②:タイワンタイコウチ
5 琉球列島に生息する絶滅危惧水生昆虫の野生復帰の取り組み事例
5.1 具体的事例①:フチトリゲンゴロウ
5.2 具体的事例②:タイワンタイコウチ
6 域外保全および野生復帰における課題①:実務面
6.1 継続性と他組織との連携
6.2 極度の負担
6.3 個人の素養による成果のぶれ
6.4 費用の確保
6.5 業績へのなりにくさ
6.6 野生復帰の手法における知見の乏しさ
6.7 野生復帰場所の選定
6.8 野生復帰場所に関する合意形成
7 域外保全および野生復帰における課題②:生物学的側面
7.1 遺伝的多様性の劣化と近交弱勢
7.2 ファウンダーの確保による域内個体群への影響
7.3 餌の確保
7.4 飼育環境への適応による悪影響
おわりに
第11章 海と森をつなぐサケ:知床における物質循環と水共生
はじめに:サケが運ぶ海の栄養
1 知床という場所:世界遺産の海と森
2 知床の環境はどう変化してきたか:地球圏と人間圏のゆらぎ
2.1 気候の変化(地球圏)
2.2 土地利用と産業の変化(人間圏)
3 サケの一生と海から陸への栄養の流れ
3.1 サケの一生:川から海へ、海から川へ
3.2 サケが運ぶ海の栄養:海起源栄養塩
3.3 サケの数はどう変わってきたか
4 物質循環をどう測るか:海と陸のつながりを数値で捉える
4.1 陸から海への推定
4.2 海から陸への推定
5 知床の物質循環はこれからどうなるか:ゆらぎの中の生態系
5.1 三つの圏域のゆらぎが重なるとき
5.2 世界遺産を守るために
おわりに
コラム3 環境物質
第12章 サンゴ礁と陸域のつながり
はじめに
1 サンゴ礁のタイプと陸域の関係
2 琉球列島のサンゴ礁
3 琉球列島の裾礁型サンゴ礁の成り立ち
4 裾礁型サンゴ礁と陸域のつながり
おわりに
あとがき
索 引
編者・執筆者紹介