戦時下において、人は、いかに思考するか。
本書は、マキャヴェッリからヘーゲル、マルクスに至る西欧近代政治思想に一貫してつらぬかれている戦争の哲学を参照枠としつつ、日本の代表的な哲学者、田辺元、南原繁、三木清、そして彼らの子どもの世代にあたる無名の一国学徒稲垣武一を取りあげ、彼らが戦争する国家の中で、国家に内在しつつ、国家を超えるものを求め続けた、その葛藤と苦悩に満ちた思考の軌跡をたどり直す。
敗戦の年に生まれ、「戦後文化」の中で生きてきた著者が、戦時の思考に丹念に分け入ることを通して、今なお続く戦争の時代における新しい戦争と平和の哲学の可能性を探る一冊。