あなたの職場に、自ら考え、動き、変化をつくる社員はどれくらいいるでしょうか。
ギャラップ社の調査によれば、日本で「熱意をもって働いている」人の割合はわずか7%で、世界最低水準にあります。
「うちの社員はやる気がない」
「言われたことしかやらない」
「他責思考で動かない」
と嘆くリーダーは多いですが「問題は個人ではない」と著者は断言します。
本書が提唱するのは、「主人公人材/傍観者人材」という聞き馴染みのない概念です。
自ら物語を生き、挑戦を重ねながら成長していく人材ーー。それが、主人公人材です。
一方、組織の外側から眺め、指示を待ち、失敗をおそれて動けない人を「傍観者人材」と捉えます。
著者が1万人以上のリーダーと向き合ってきた経験から、
傍観者は「育てられる」のではなく、「そうなるように仕組まれた環境」が生み出しているという事実を明らかにします。
第1部では、なぜ職場で主体性が育ちにくいのかを解き明かします。
「比べる思考」や外発的動機に依存した人づくりの構造的な問題が、人の内なる力を奪っていく様子を整理します。
第2部では、主人公人材を育てる具体的なプロセスを提示します。
人が成長していく「7つのフェーズ」と英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニー)の構造を重ね合わせた独自のフレームワークは、人材育成の「地図」として機能します。
さらに、育成者が身につけるべき姿勢として「プロデュース思考」を提唱。
支援者が相手の可能性を信じ、物語の主人公として動き出す瞬間を後押しする、具体的な関わり方を解説します。
第3部では、個人の成長を組織全体に広げるための「仕組みづくり」を扱います。
主人公人材が一時的に生まれるだけでなく、自然と育ち続ける組織の前提条件、「物語マネジメント」と「標準化マネジメント」の二つの視点、
そして実際に1,000人規模の組織でこの思想を実践してきたサイボウズの事例を紹介します。
また、本書にはワークシートや問いかけが随所に盛り込まれており、読了後すぐに自職場で実践できる構成になっています。
人事・育成担当者はもちろん、チームを持つマネジャー、経営者、そして「自分らしく働きたい」と感じているすべてのビジネスパーソンに届けたい一冊です。
「育てる人」が変われば、組織は変わります。そして組織が変われば、一人ひとりの仕事が、意味のある「物語」へと変わっていきます。