『有限存在と永遠存在』を読み解く
フッサールに師事した後カルメル会修道女として活動し、アウシュヴィツのガス室に斃れた至高のユダヤ人哲学者の遺した主著『有限存在と永遠存在』。
鋭敏な知性が現象学と中世哲学の批判的統合を以て存在論の深奥に挑んだ、この浩瀚な〈永遠哲学〉の書を読み解く。
《自然的かつ超自然的理性に拠るエーディト・シュタインの正確無比の論理は、その価値は、その帰結の有効性は、翻って考えるに、超自然もしくは神秘の存在証明の有効性を立証する。同時に同論理の基礎を成す教理の正統性をも。広義の合理性をも。『有限存在と永遠存在』は単なる自然的理性に頼らぬ神の存在証明の緻密かつ長大な軌跡である。》(本文より)