国鉄が1985年に東海道本線、東北・高崎線に投入した211系は、それまでの113系・115系に代わる次世代の近郊型電車として登場しました。
ステンレス製車体、ボルスタレス台車、界磁添加励磁制御などの新しいメカニズムは、後から開発された205系に先行して採用されてしまいましたが、従来の国鉄電車らしからぬデザインも相まって注目を集め、ブラックアウトされた前面デザインは私鉄各社にも影響を与えました。
現在も中央本線、信越本線、両毛線などで活躍を続けていますが、中央本線には後継のE131系200番代が新製投入され、世代交代が見え始めました。一方、JR東海を引退した車両の一部は三岐鉄道と流鉄に譲渡され、これからはローカル私鉄でも見ることができます。
本書では、長野総合車両センターに所属する211系0番代のトップナンバー、N601編成を特別取材。客室や運転室、床下機器など、通常は見ることができない場所のディテールも豊富な写真とともに掲載いたします。また、国鉄時代から現在まで、211系の編成写真や形式写真を豊富な写真で紹介していきます。
なお、鉄道車両メカニズム&ディテールでは第1弾の115系(抵抗制御)、第2弾の201系(チョッパ制御)を取り上げきました。第3弾となる今回の211系は界磁添加励磁制御であり、国鉄新性能電車で量産された3種類の電気制御方式を解説いたします。合わせてお読みいただくことで、制御面から見た国鉄電車の進化をより深く理解することができます。