かつての使用人と無能な令嬢の逆転恋愛ファンタジー
昔、福をもたらす異能者が生まれることで栄えていた九条家は、次第に異能持ちが少なくなり、衰えをみせていた。
当主の長女、月詠も無能であったが、次女の陽葵は十歳の時に、幸福をもたらす花「幻華」を咲かせる異能を開花させたことで、暮らしぶりは一変する。
月詠は無能であることから陽葵から嫌がらせを受け、幸福を求める来客者に振る舞う料理やお菓子を作り続ける日々に。そしてそれさえも陽葵が作っていたことにされ、陽葵の影として生きていた。
ある日、冷徹で血も涙もないと噂される神尾家からの縁談が舞い込む。
陽葵の代わりに月詠が嫁ぐことになったが、当主の颯は月詠に手を差し伸べてこう言った。
「お迎えが遅くなりましたお嬢様。さあ、私と参りましょう」