2015年の欧州難民危機に対しドイツのメルケル政権は人道に配慮して大量の難民を受け入れた。賞賛を浴びたこの決断は、しかし、欧州の国境管理機能を形骸化した点で他国の非難を浴び、国内でも自治体や住民に負担を強いたことで難民への強い反発を招いた。他国で有効な児童婚を一律無効とした児童婚撲滅法の制定はその好例である。連邦憲法裁判所がこの措置を違憲と断じたため、立法府は未成年外国婚当事者保護法を制定したが、未解決の課題が残されている。その原因は立法作業が拙速に進められた点だけでなく、連邦憲法裁判所決定が時代遅れの思考に立っていた点にある。本書は一次資料に基づいて立法過程・裁判過程の問題点を指摘する。