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ひまわりと羊 反骨の弁護士が見た戦後

ひまわりと羊 反骨の弁護士が見た戦後

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商品説明
「東海道新幹線騒音」「四日市公害記録」「イラク派兵差止訴訟」…。
名古屋市中区のビルの一室に無数の資料ファイルが眠る。弁護士内河恵一が五十年以上にわたって関わってきた事件。薄暗い部屋に差し込む光で、背表紙の文字が浮かぶ。 

百平方メートルほどの部屋には五十を超える棚。そのうちの一つには、約二百五十冊が収められていた。通路に置かれた段ボールにも資料の山。「本当は整理せにゃいかんけど、なかなか捨てがたくて」。開くとほこりを舞い上げるファイルが、内河の長い歩みを伝える。

 小学校に上がる前、太平洋戦争の空襲で家を焼かれた。貧困で希望の高校、大学に進めず、働いて家計を支えながら法曹の道を目指した。苦労の連続だったあのころの自分は「迷える羊」。だからこそ、世の中にあまたいる「迷える羊」を助けたい。そんな思いで弁護士を志した。

 公害、貧困、戦争。弱者の嘆きや悲しみが脈打つ事件に積極的に携わった。「戦後日本の負の部分を見つめてきた」。半生をそう振り返る八十三歳の目には、敗戦からの復興に走り続けた日本は、そして分断が広がる今の社会はどう映っているのか。

 窓から届く光に、ひまわりをモチーフにした左胸の弁護士バッジが輝きを増す。深いしわが宿す記憶に触れようと、彼の言葉に耳を澄ませた―。

中日新聞記者・吉光慶太が迫る!「一匹の羊=社会的弱者」とともに歩み続ける内河恵一の半生【ひまわりと羊】(中日新聞連載)が待望の書籍化!
目次
第1部:弱者の嘆きに心寄せ 吉光慶太
第2部:果たせぬ「恩返し」 内河惠一
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