雨宮処凛さん(作家)評
名前が変わるとは、いったいどういうことだろう。人から様々な名前で呼ばれるというのは、どんな気持ちだろう。逆にそのことは、自分自身の「核」を強く意識させることになるのではないだろうか。
彼女の名前は何度も変わる。本名、本名だけど読みが「日本式」、通名。しかしだからこそ、彼女は揺るぎない「自分」と対峙しているように見えるのだ。けっして肩ひじを張らない軽やかさで。
「在日」として生きる一人の女性の幼い頃の記憶、家族、仕事、恋、結婚、子育て、そして自分との、歴史との真摯な対話。日常から綴られる、私たちのすぐ傍にある物語。