巻頭地図
用語解説
第1部 序論
第1章 「出ユーラシア」研究の人類史的な意義 [松本直子]
1 ヒトの生物進化と人文社会科学的な変化のギャップを解く意味
2 出ユーラシアの視点
3 身体を介したモノと心の相互浸潤
4 本巻の位置づけ
第2章 サピエンス人の「出ユーラシア」——認知的動因と進化歴史研究の新機軸 [入來篤史]
1 「出ユーラシア」の着眼点
2 人間の生き方が形作る〈世界〉の時空間構造
3 人工景観(集落都市、神殿、耕作地…)が出来上がる道程
BOX 1 個体の三元ニッチ第一相、第二相と文化/文明へのフラクタル構造
BOX 2 霊長類とヒトの第二体性感覚野
BOX 3 身体と認知の相乗作用││直立二足歩行による「移動」の発動
第3章 出ユーラシア「文明」の再考——人工景観/都市の創成メカニズム[ 杉山三郎]
1 ヒトの特異性とは?
2 社会性の再認識
3 天体・時空間認知と象徴景観の実証的研究へ
第2部 時空間認知
第1章 出ユーラシア集団の実践的環境認知——方位観とナビゲーション [後藤 明]
1 ホモ・サピエンス集団の多様なナビゲーション
2 海洋ルートのナビゲーション
3 考察
4 「ヒューマン・ビカミング」的宇宙観
第2章 日本列島における時空間の認知 [北條芳隆]
1 「亜周辺」から見える文明形成メカニズム
2 時空間認知の枠組み
3 古相の方位観
4 新相の方位観
5 弥生時代に導入された日の出暦
6 日の出暦の人為景観化
COLUMN 1 日本列島固有の太陰暦がもちいられた形跡 [北條芳隆]
1 朝日遺跡出土赤黒円文パレス壺
2 八日市地方遺跡の鹿絵壺
3 弥生文化と太陰暦
COLUMN 2 考古遺構と背景天体の可視化ソフトarcAstro-VRの開発 [関口和寬]
1 天体観察と時空間認知
2 歳差と黄道傾斜角の変化
3 古代の時空景観を再現する
第3章 アンデス形成期における神殿社会の多様性とその背景——ペルー北部地域におけるモニュメントの建設と諸資源の操作 [山本睦・鶴見英成]
1 形成期の社会の多様性を捉えるための視座
2 ペルー北部地域の環境と神殿を中心とした形成期の社会
3 形成期のフロンティアとしてのペルー最北部地域とインガタンボ神殿
4 ペルー北部地域における神殿の多様性とラクダ科動物の重要性
5 積み重なり、絡み合うニッチと今後の課題
第4章 メソアメリカにおける時空間認知と都市の創成——チャルチュアパ遺跡を中心に [伊藤伸幸・北村繁]
1 古代メソアメリカ都市創成解明に向けた調査
2 ヒト入植以前の自然景観の復元
3 都市景観形成過程の解明
4 都市景観形成における天文観測の役割
5 火山噴火と都市景観の変化
6 エルサルバドル西部における先古典期の都市景観の復元
7 自然景観から都市景観への変化と自然災害による影響
COLUMN 3 ジオ考古学のすすめ││人と自然の絡み合いにせまる通史的アプローチ [山口 徹]
1 カール・ブッツァーの人間生態学
2 年代測定法の精緻化
3 石垣島名蔵でのマルチプロクシー法
4 プカプカ環礁で試行するマルチスカラー法
5 ジオ考古学の行く先
第3部 人工景観
第1章 メソアメリカにおける天体・時空間認知と都市形成 [杉山三郎・杉山奈和]
1 狩猟採集民から都市社会への一万年
2 山頂都市モンテ・アルバンの時空間認識と国家形成
3 テオティワカンの天体・時空間認知と国家形成
4 メソアメリカの天文学と社会構築
第2章 アンデスにおけるアーバニズム——シカン・シティの再発見と都市概念の再構成 [松本 剛]
1 序論
2 理論的枠組みと概念の整理
3 密林を透かす
4 シカン像の再検討
5 都市を支える社会基盤
6 結論と展望
第3章 ミクロネシアのポーンペイ島ナンマトル遺跡における時空間認識と政治戦略 [長岡拓也、片岡修、ダグラス・C・コマー、ジェイコブ・A・コマー]
1 オセアニアの巨石遺跡における時空間認識を取り巻く問題
2 ポーンペイ島とナンマトル遺跡の概要
3 シャウテレウル王朝の時空間認識と政治戦略
4 LiDAR調査と土盛遺構群
5 まとめ、都市論、今後の課題
第4章 人工的環境の拡張と古墳造営 [光本 順]
1 巨大古墳出現以前
2 巨大古墳の成立
3 人工的環境と古墳造営
COLUMN 4 古代日本における神社(官社)分布と国家形成 [笹生衛・木村大樹]
1 『延喜式』神名式における神社の分布と変遷の傾向
2 『延喜式』神名式の神社分布の意味と背景
3 『延喜式』神名式と国家祭祀「祈年祭」
COLUMN 5 マヤ文明の起源と天体観測 [猪俣 健]
1 セイバル遺跡とアグアダ・フェニックス遺跡の調査
2 天体観測の社会的意味
第4部 総括討論
重なり合い複層的な「文明」創成をどう捉え記述できるか ——出ユーラシア研究のアドバンテージと課題
1 文字通りの「ニュー・ヒストリー」
2 サピエンスが移動した場所でまず何が起きたか?
3 歴史の実験場としての「出ユーラシア」
4 「文明」創造の駆動力を現場の身体性から捉える
5 「状態の重なり合い」としての「社会性」
6 情報伝達システムとしてのモノ、人工景観
7 モノの象徴性、「戦い」の意味
8 時間認識の変容と天文知識
9 モノのエイジェンシーと「物語」
10 音楽、踊り、アート
11 人を駆動した「志向性」と移動・拡散の前線
12 「無いもの」、あり得たが起こらなかったことを意識する
索引
著者紹介