ルネサンス時代、美は女性の武器となった。
金色の髪に白い肌、薔薇色の頬と唇――ボッティチェッリやティツィアーノの絵画には、美しいルネサンスの貴婦人が描かれている。美女たちはその華麗な容姿をどのようにつくりあげていたのだろう?
エディンバラ大学教授が、当時の美容の秘伝書やハウツー本、女性たちが記した手紙や詩、小説など、これまで取り上げられることのなかった文献を調べ上げ、女性たちがどのように自分を磨き、男性社会の中を生き抜いていたかを明らかにしていく。
秘伝の美肌術、過酷な痩身、化粧品調合といったリアルな美容生活、女性たちが直面した美の規範や家父長主義社会の実態、美を武器にしてのしあがった芸術家や高級娼婦の素顔、化粧品に使われるヒ素を使って夫を毒殺した妻、魔女と糾弾された女性……「美容」という切り口から女性を描き出す、これまで語られたことのないもう一つのルネサンス史。
美しいカラー口絵8ページと、当時の化粧品を再現できるレシピつき。
◆推薦の辞◆
ルネサンス期の女性たちの姿を鮮やかに描き出す1冊。その不安や切望は、21世紀の読者にとって妙に既視感のあるものばかりだ。美術館に並ぶ肖像画の見方が一変することだろう。――マギー・オファーレル(作家『ハムネット』『ルクレツィアの肖像』)
美容という視点からルネサンス期イタリアを軽妙に語る好著。貴族だけでなく、あらゆる階層の女性たちの姿を丁寧に拾い上げており、ディテールの面白さに思わず引き込まれる。――ニューヨークタイムズ・ブックレビュー