石油、天然ガス、電力、そしてレアアースやリチウムなどの重要鉱物――。エネルギーはいまも国家の「武器」として使われている。ホルムズ海峡の封鎖、ノルドストリームの破壊、ウクライナの発電施設への攻撃……。地政学者・奥山真司とエネルギー技術の専門家・小野﨑正樹が、エネルギーを武器に変える「供給・価格・物流・インフラ・ルール」の五つの型を整理し、米国・ロシア・中国・欧州の攻防を読み解く。自給率が極端に低い日本は、シーレーンと備蓄をどう守り、脱炭素をどう生かすのか。対談形式で日本の活路を探る一冊である。
【目次】
はじめに
第Ⅰ部 武器化の原理
第1章 エネルギーはどう武器化されるのか
第2章 武器化はどこまで効くのか
― 相互依存と逆流、ブーメランの条件 ―
第Ⅱ部 覇権争奪
第3章 米国
― 供給力・金融・制度で支配する ―
第4章 ロシア、中国、欧州
― 外へ広がるロシア、それを取り込む中国、ルールで戦う欧州 ―
第5章 脱炭素は新しい「武器」になるのか
― LNG、欧州、中国、そして水素の現実 ―
第Ⅲ部 日本の戦略
第6章 日本は何を備えるべきか
― 低い自給率の現実と、日本が築いてきた備え ―
第7章 シーレーン、同盟、ルール形成
― 海の「通り道」を誰が押さえるのか ―
第8章 有事にどう備えるか
― 「切られにくい回路」をどうつくるか ―