何のための「スパイ防止法」か ─本書に寄せて─ 川口 創(弁護士)
1─「スパイ防止法」の狙い
過去の反対運動と再び迫る危機
各政党・議員が主張する「新たなスパイ防止法」
立法事実の不在 ─「スパイ天国」論の嘘
特定秘密保護法との比較〜罪刑法定主義の危機と厳罰化
目指されている法案の共通点─経済安全保障と「スパイ」そのものの処罰
スパイ防止法の真の狙い─敵味方の分断と「戦争できる国」への回帰
「能動的サイバー防御法」による全情報監視の危険性
警察機構の変質─特高警察の亡霊と「国家警察」化の動き
市民監視の実態─大垣警察事件と自衛隊情報保全隊事件
監視技術の強化とデータベース統合
1985年の教訓─廃案に追い込んだ市民運動の力
今こそ声を上げる時 草の根からの反対を
【質疑応答】
2─「国家情報局」の狙いと危険性
法案提出前の今だからこそ声を上げる
国家情報局設立への具体的なスケジュールと合意内容
「視察」という名の監視〜公安警察と戦前の亡霊
国家情報局構想の狙い
「対外情報庁」の危険性とデジタル監視社会
CIAの暗部と日本の政治家の危うさ
警察の変遷と次なる「デモ規制」の動き
3─スパイ防止法のある社会とは
表現の自由と「スパイ防止法」
「明白かつ現在の危険」の法理とその変遷
シェンク事件と「劇場の火事」の比喩
ユージン・デブスの投獄と時代の「暗部」
参戦の真実─理想主義の裏にある経済的思惑
戦時景気と「裏切り者」への猛攻
ドイツ系移民への苛烈な迫害
「タールと羽根」の私刑と暴力の連鎖
国家による言論統制と諜報活動
「赤の恐怖」と自警組織の台頭
タルサ事件 法と理性が失われた瞬間
暴力の正体─排外主義、軍隊、そして企業の利害
狂気を止めた良心─公務員と法律家たちの闘い
日本への警鐘 スパイ防止法という名の「思想統制」
外交と対話の再建に向けて
あとがき