現代の新しい会計状況の特徴をどのように見るかは、会計の性質をどのようなものとして見るか、ということでもる。本書の執筆陣はそれを「会計認識領域の拡大」とみている。それが本書に『現代会計の認識拡大』というタイトルを用いた理由である。①その認識拡大をもたらす会計方法・会計処理基準はどのような理論づけによって正当化されるのか、②その会計方法・処理基準はそれぞれの国の会計制度構造のなかで、どのように正当化・正式化されるのか、③その会計方法・処理基準はどのような会計上の専門的な意味(損益計算への影響)をもつのかについて解明を試みた。
本書は上記の①から③の課題をアメリカ、イギリスあるいはドイツの会計基準および会計制度を中心に研究している者たちが、それぞれの研究テーマに即して解明することを試みたものである。
序章は、会計認識領域拡大を伴う現代会計処理基準についての理論化方式と合理化の制度的構造に関する予備的考察であり、本書の総論部分にあたる。
第1章は認識領域の拡大を進める現代会計の概念的・理論的基礎とそのあり方のアメリカ的特徴について考察したものであり、第3章は将来事象を取り込む現代アメリカ会計基準の測定構造の展開において、理論的・概念的に合理化の中心的位置にある公正価値について考察したものである。また第2章は会計基準の国際的展開のもとでのアメリカの基準設定活動の位置と、その国際的な活動がアメリカ国内の基準設定に対して果たす影響および意味について考察したものである。
第4章から第13章までは各論部分であり、認識領域の拡大を進めるアメリカを中心とする現代会計基準の個別・具体的内容とその進展の状況を示している。
第14章から第18章は、アメリカと対比される、ドイツの現代会計基準を正式化させる制度的構造のあり方、会計基準の国際的統一化に対応するドイツにおける会計概念構造の設定、および公正価値会計指令への転換、ならびに個別会計処理基準について考察したものである。