里親のもとで、子どもとの暮らしがうまくいかなくなること「不調」。
今まで語られてこなかったその現実から、里親養育の未来を照らす一冊。
◆「いいこと」しか語られない世界に、あえて向き合う。
里親制度の説明会などでは「よかったこと」が語られることが多いですが、実際には子どもが家庭を離れざるを得なくなる「うまくいかないこと」=「不調事例」もあります。
これまで表に出されることがほとんどなかった、このような「不調事例」に正面から光を当てました。
◆失敗を、みんなの学びに。そして、里親をひとりにしない。
里親養育の現場で実際によく起こり得ることを、16の事例で紹介。
里親・子ども・支援者それぞれの視点からていねいにたどり、「どこで何が起きていたのか」「どう支えられたはずか」をひもときます。
子どもの問題行動による関係の悪化・里親の疲れや心の揺れ・支援が届かず孤立していく家庭・子どもの権利侵害・里親家庭で育つ実子の戸惑いなど、どれも特別な家庭の話ではありません。
読み終えたとき見えてくるのは、「里親がひとりでがんばる」時代から、児童相談所も学校も地域もみんなで子どもを支える「チーム養育」へ、という里親養育の新しいかたちです。
失敗を隠すのではなく学びに変え、これからの里親養育の未来を明るくするために編まれた一冊です。
◆里親研究の第一線から、当事者の声まで
2023〜2025年にこども家庭庁の研究費で行われた「児童養護施設等や里親家庭における養育の不調の要因分析に資する研究」。その代表者・引土達雄氏の研究チーム4名を含む、里親研究の第一線の研究者、里親、そして里子として育った経験者、計10名(うち2名は匿名)が執筆。
研究の知見と、現場・当事者のリアルな声の両方から、不調事例を立体的に描き出します。
里親はもちろん、里親を目指す人や支援者、また、福祉・心理・教育を学ぶ人にもおすすめです。