インド社会の排泄物処理を含むサニテーションをその末端で担ってきた、「清掃人カースト」ヴァールミーキの人びと。
ガーンディーの思想を受け継ぐNGOをはじめ、人道的使命に突き動かされた様々な人びとの闘いにより、排泄物処理人たちは、不潔で不浄な労働や差別から「解放」されていったとされている。
しかしながら実際に、彼らはいかなる労働を行い、そこにどのような意味づけを主体的になしてきたのだろうか。そして彼らの社会的な位置づけはいかに変化し、彼らはどこへ向かっているのだろうか。
彼らはただの「不浄」かつ「不潔」で「抑圧された」不可触民ではなく、種々の社会的規範にその身をがんじがらめにされながらも、そのなかでなお自ら意図的に、そして戦略的に日々を生き抜く存在であった。この本の中で私が描きたいと願うのは、そんな彼らの姿とはどんなものか、それが(…)人道的な努力によりどう変わり、彼らはどこへ行こうとしているのかという事柄についての、ほんの一端である。[本文より]