14年間におよぶ公害道路への反対運動。
その後、ひとりの当事者の手によって、十年にわたって書き綴られた運動の歴史。
運動は風化しつつあった。人間の行為とはなんと儚いものであろうか。
そして、文字による記録とはなんとしぶといものであろうか。
当時の住民運動を描き出すこの実に生き生きとした言葉は、ひとつの文学ですらある。
人間には、自分たちが成し遂げたことを後世に伝える能力があるのだ。
この本はそのことを私たちに教えてくれている。
──國分功一郎(哲学者・東京大学大学院総合文化研究科教授)
◆この反対運動は、閑静な住宅街の真ん中を高速道路が通る計画が発表されたことからはじまった。住民運動の経験などまったくない人たちが、どのような知恵を働かせ、強い団結のもと成果を勝ち得ることができたのか──。ここに、時代を超えた市民自治の原点がある。
第一部では、当事者たちによる一四年間におよぶ反対運動の記録の決定版を収録。
第二部では、運動が後の市民活動に及ぼした影響と、現在からみたその歴史的意義を記す。