パーキンソン病と診断されたとき、患者と家族は、これから何が起こるのか、どんな治療を受ければいいのか――さまざまな不安を抱えます。
本書では、パーキンソン病とともに生きる4つの家族を取材。それぞれが病気と向き合い、治療を選び、日々の暮らしを続けていく姿を描きます。そこには、医学書だけではわからない、パーキンソン病と生きる人たちの現実があります。
一方、パーキンソン病の治療は大きく進歩しています。薬物療法をはじめ、脳深部刺激療法(DBS)などの外科的治療、iPS細胞を用いた治療など、現在受けられる治療から、これからの医療まで、その最前線を紹介します。
各章では、順天堂大学の武田篤医師が、患者が抱える症状や治療について詳しく解説。患者・家族の体験と医学的な解説を通して、パーキンソン病治療の現在を知ることができます。
さらに、新たな創薬への挑戦にも目を向けます。その一つが、脳内のFABP3というたんぱく質を標的とする新しい治療薬の研究です。FABP3阻害薬は、血液脳関門を通過して脳内に届き、αシヌクレインとFABP3の結合を阻害することで、αシヌクレインの凝集を防ぐことが期待されています。マウスを用いた研究では、レビー小体の形成や神経細胞の喪失を抑える結果が得られました。
現在の治療から、iPS細胞を用いた治療、そして新たな創薬研究まで――パーキンソン病治療はどこへ向かおうとしているのか。
4つの家族が経験した病気との向き合い方と、日々進歩する治療の最前線。その両面から、パーキンソン病とともに生きる人たちに「希望」を届ける一冊です。