自給自足は、特別な人や田舎暮らしの人だけのものではありません。
本書は、都市近郊に暮らしながら、家族1年分のお米と多種類の野菜を育ててきた園芸研究家・はたあきひろさんが、「我が家の食料自給率を1%上げる」 という現実的な視点から、自給的な暮らしの始め方をやさしく案内する1冊です。阪神・淡路大震災で「食べものが手元にあること」の大切さを痛感した体験を原点に、自給自足を“生きていくための最低限のスキル”として捉え直している点が、本書の大きな特徴です。
地方へ移住しなくても、都市近郊には田畑があり、プランターひとつからでも始められる。そんな著者自身の実践をもとに、ネギやミツバなどの手軽なプランター栽培、管理が比較的楽な放任栽培野菜、虫がつきにくい野菜づくり、レモン・ブルーベリー・ウメなどの家庭果樹、さらに陸稲や人力による米づくりまで、幅広く紹介しています。
本書は単なる園芸の実用書ではありません。旬のある暮らしの豊かさ、子どもの情操教育、家族のコミュニケーション、自然界に軸足を置く生き方など、食べものを育てることを通して、暮らしそのものを整えていく知恵が詰まっています。自給自足に憧れはあるけれど何から始めればよいかわからない方、家庭菜園をもっと暮らしの中に根づかせたい方におすすめの1冊です。