ぼくらが歩く祈りの道には
そこかしこに
花の気配があった
季節の花々が呼び覚ます、大切な人との時間。
忘れえぬ想いを、花と光と風に託して。
「誰かのこころに
ここで詩を書く
誰かがここに
いてもいなくても」
プラタナス、睡蓮、彼岸花、もみじ、蝋梅、白梅――。
散歩や旅の途中で出会う草花や生きもの、移りゆく四季。その小さな発見に重なる、大切な人と過ごした日々の記憶。
悲しみも、喜びも、ふとこぼれるユーモアも。
季節をめぐる風景を見つめながら、今ここにある時間を丁寧にすくい取った言葉の数々。
愛しい記憶と、今日を生きる心を静かに見つめた一冊。
中学生から読む「愛の詩集」 第7弾。
* * *
ちょっと白亜紀まで行ってきます
軽い口調できみは出かけていったのだが
それきり帰ってこない
もしもきみが太古の森で
テリジノサウルスの巨大な爪なんかを
うっとりと眺めているとしたら
あと7000万年
ぼくは待たなければならない
この星の岸辺で
ぼくらが共にしたほんの一瞬を
永遠のように心に刻んで
――「散歩」より
* * *