本条さんの言葉は、のびのびしているけど、背伸びはしていない。
等身大の言葉でしか書けないことを、確かな手触りで伝えてくれる歌たち。
その一つ一つが愛おしい。日常の中に詩があることを、あらためて思う。
俵 万智(帯より)
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どんな陽を風を言葉を浴びてきたチリ産アスパラ98円
「迷う」って打とうとしたのに三回も間違えて、もう「魔王」で生きてく
夕闇に自転車を漕ぐどうしても寝てしまう子を後ろに乗せて
イヤホンを通じて脳に送られる中島みゆきという名の麻酔
「月を跨ぎそうだよ」LINEに銀河ほどの背丈になったあなたを思う
(収録歌より)
ふたりめの子どもが生まれ、子どもたちが
それぞれに幼稚園・小学校などへと進み、
その後病を得て入院。そうした目まぐるしくもかけがえのない
十二年間の作品が詰まった一冊。
解説=笹公人/帯=俵万智
栞=江戸雪/富田睦子/山本夏子
装幀=花山周子