精神科看護 2026年増刊号(53-10)

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商品説明
特集1
精神科看護において,患者・利用者が抱える服薬への不安や抵抗感にどう寄り添うかは,日々の現場における重要な課題です。服薬指導を単なる「管理」や「作業」として終わせるのではなく,患者や利用者の生活背景や感情を理解し,対話を深める「看護のプロセス」として捉え直すことが求められています。本特集では,臨床現場で試行錯誤を重ねながら取り組まれている具体的な関わりや工夫を集約しました。多様な事例を通して,患者や利用者との信頼関係を築き,主体的な治療参加を支えるアプローチを探ります。今回紹介する6名の経験者の体験と,18の実践から『服薬についての相談を看護の機会にする』ための方法を学んでいただければ幸いです。

特集2
日々の精神科看護のなかで「あの対応でよかったのだろうか」とふと覚える小さな違和感。それは決して弱さではなく,対象者に誠実に向き合おうとするからこそ生じる専門職としての貴重な感受性です。しかし多忙な現場では,「仕方ない」と胸の奥にしまい込み,孤立や疲弊へとつながりかねません。
特集2では,この違和感を起点に,モラルディストレスやアンコンシャス・バイアス,トラウマインフォームドケア,モラルレジリエンスといった視点から,違和感を言葉にしてチームで共有し,看護を深めるプロセスを考えます。今回紹介する実践や知見から『日常の違和感を看護を深める機会にする』ための方法を学んでいただければ幸いです。
目次
特集1 薬にまつわる困り事・相談が聞かれたときに
―薬の相談を「看護の機会」に変える18の実践

こころの病気とお薬と,わたしの毎日1
患者の主観を置き去りにして進める治療って?
―私たちは前向きに取り組めるのだろうか
武井雅風(ピアサポーターがリカバリーを伝える会)

こころの病気とお薬と,わたしの毎日2
1人の看護師とのかかわりそのものが「薬」であった
板谷真子(ほっとステーション平塚)

こころの病気とお薬と,わたしの毎日3
いちばんつらかったのは離脱症状ではなく「罪悪感」だった
あめちゃん

こころの病気とお薬と,わたしの毎日4
「続けられる方法」を一緒に考えてほしかった
―ADHD当事者が薬と付き合えるようになるまで
MANO(みんなの整えLab.)

こころの病気とお薬と,わたしの毎日5
「相談してもいい」と気づけることで生活の安心感が違う
平岡良亮(ピア・ザ・カルチャー)

こころの病気とお薬と,わたしの毎日6
必要だったのは「薬を増やすこと」でも「薬をやめること」でもなく
岡崎幸治(リカバリー福島当事者会 代表/リカバリーカレッジうつくしま 学長)

薬はその人らしく生きるための手段
田代 誠(神奈川工科大学健康医療科学部看護学科 准教授/精神看護専門看護師)

「調子が悪いのとは,ちょっと違う……」
―外来での増量の陰にあった「居場所」の揺らぎ
板橋直人(帝京科学大学医療科学部看護学科 講師)

「結婚して,子どもがほしい」
―患者発信でつくられる文脈を尊重する視点を
山本 梓(医療法人三幸会第二北山病院 精神看護専門看護師)

「死んでもいいんで薬を続けてください」
―「こころ穏やかに過ごしたい」という価値観を尊重する
成瀬 治(東海大学医学部付属病院 精神看護専門看護師)

「症状を対話で治していただけますか」
―“人薬”としてのトラウマインフォームドな対話
宮川香子(訪問看護ステーションいしずえ 理事)

「チャクラが閉じるような感覚がある」
―言葉の裏にある恐怖と葛藤に寄り添うアセスメント
新里 峻(合同会社Kraft Plus 訪問看護ステーションクラフトプラス 代表)

「この薬,大丈夫なんですか?」
―ネットで薬について調べて心配になったFさん
松谷典洋(亀田医療大学看護学部看護学科 助教/精神看護専門看護師/精神科認定看護師)

「調子がよくなったから薬は必要ない」
―背景にある自己肯定感の低下や将来への不安
清野孝行(えもん訪問看護ステーション 精神科認定看護師)

「家族には言わないでください」
―その言葉の裏にある本心に触れるための関係の結び方
松谷典洋(亀田医療大学看護学部看護学科 助教/精神看護専門看護師/精神科認定看護師)

「納得したら飲みます」
―「聞いてもらえる」体験を重ねることで生じる変化
若杉慶嗣(神奈川工科大学健康医療科学部看護学科 助教/精神看護専門看護師)

「なんとかしようと思っても効かないし」
―トラウマインフォームドケアの視点を取り入れた支援
寺中祐人(セノーテ訪問看護福岡東ステーション 看護師)

「飲んでいて意味があるんでしょうか」
―服薬の評価から“その人らしい回復”を支える看護へ
坂東敬一(医療法人資生会千歳病院 看護師長/精神看護専門看護師/認定看護管理者)

「だったら,お前が飲めよっ!」
―「拒薬」の二文字で片づけない
須田直樹(公益社団法人前橋積善会厩橋病院 副看護部長/精神科認定看護師)

「20歳の誕生日で節目なので……」
―内服への思いから表面化した利用者の思い
若山仁大(訪問看護ステーションいしずえ町田 精神看護専門看護師)

「薬を飲むと僕の才能がなくなるんです」
―価値や生きる意味を失うことへの恐怖
更田新太郎(京都先端科学大学健康医療学部看護学科 講師/精神看護専門看護師)

「前の薬のほうがよかったよ」
―処方変更の事実はないのに,なぜ?
須藤 秀(精神科訪問看護ステーションHopeful 管理者/精神科認定看護師)

「あれを飲むと集中できないんですよ」
―薬を「自分を縛り不快にさせる敵」にさせない
栢沼庸平(医療法人社団秦和会秦野病院 主任/精神科認定看護師)

「薬を飲むと,視界が晴れていくんです」
―その背景にある複雑な思いを汲んでいく
後藤りか(神奈川工科大学健康医療科学部看護学科 助手/精神看護専門看護師)

特集2 「違和感」こそが看護の質を向上させる原動力
―「違和感」の表出と対話から育まれるモラルレジリエンス

「違和感」は看護の質を向上させる原動力である
―「違和感」の表出と対話から育まれるモラルレジリエンス
一ノ山隆司(金城大学看護学部公衆衛生看護学専攻科大学院総合リハビリテーション学研究科 学部長/専攻科長/教授)
境 美砂子(金城大学看護学部 准教授〈博士・保健学〉)
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