はじめに──武士道に、勤め人としての心意気を学ぶ
第一章 心地よく生きる術
・直感を信じろ
大事の思案は軽くすべし。(聞書第一、四六)
・孤独力
四十二にて出家いたし、思へば短き在世にて候。十四年安楽に暮し候事不思議の仕合せなり。(聞書第一、三七)
・淡々と役割を演じる
世界は皆からくり人形なり。(聞書第一、四二)など
第二章 大人としてのたしなみ
・智・仁・勇を持て!
内には智仁勇を備ふる事なり。(聞書第二、七)
・お金も気持ちも体験も出し惜しみしない
始末心これある者は義理欠き申し候。義理なき者はすくたれなり。(聞書第一、六三)
・あくびもくしゃみもコントロールできる
人中にて欠伸仕り候事、不嗜なることにて候。計らず欠伸出で候時は、ひたひ撫で上げ候へば止み申し候。くさみも同然にて候。(聞書第一、一七) など
第三章 勝つための仕事術
・仕事は断るな
役断り、引き取りなどする事は、御譜代相伝の身として、主君を後になし、逆心同然なり。(聞書第一、一五八)
・他人のためにどこまで動けるか
身心を擲ち、一向に嘆き奉るばかりなり。(聞書第一、三)
・辞めるのは次を決めてから
帰り新参などは、さても鈍になりたると見ゆる位がよし。しっかりと落ち着いて動かぬ位があるなり。(聞書第二、六四) など
第四章 リーダーの条件
・ほめて育てる
若き者には、少々の事にても、武士の仕業を調へ候時は、褒め候て気を付け、勇み進み候様仕る為にてあるべく候。(聞書第一、一六)
・正しい評価の仕方
御鷹師何某は、用に立つ者に候や。「何の役にも立ち申さず候へども、御鷹一通は無類の上手にて候」「御鷹一通は無類の上手に候へども、不行跡者にて何の役にも立ち申さず」(聞書第四、一二)
・トラブルなくクビにする方法
召使の者に不行跡の者あれば、一年のうち、何となく召し使ひ、暮になり候てより無事に暇を呉れ申し候。(聞書第一、九六) など
第五章 人づきあいの極意
・「知らない」とは言わない
終に知らぬ事ながら存ぜずと云はれず、漸く間に合はせ候。(聞書第五、三四)
・会ったときはなごやかに
心に叶はぬ事ありとも、出会う度毎に会釈よく、他事なく、幾度にても飽かぬ様に、心をつけて取り合ふべし。(聞書第一、一六四)
・口論の心得
口論の時心持の事 随分尤もと折れて見せ、向ふに詞を儘くさせ、勝に乗って過言をする時、弱みを見て取って返し、思ふ程云ふべし。(聞書第十一、一〇) など
おわりに──五パーセントの武士道精神が、人を強くする