世界最高峰のエベレスト山とそれを支えるヒマラヤ山脈の美しい自然、登山ビジネスの発展によって変わってきた人々の暮らしを、ナショナル ジオグラフィックならではの美しい写真で解説した書。
世界の屋根、ヒマラヤ山脈に君臨する標高8849mのエベレスト。インド・プレートとユーラシア・プレートの衝突によって生まれたヒマラヤ山脈と、今なお続くプレートの動きによって標高が変わり続けるエベレストの素顔を、最新の地質学の知見をもとに解き明かしていく。また、エベレスト山を取り巻く自然環境、ユキヒョウ、ヒマラヤタール、ジャコウジカなどの希少動物の生態、強い香りを放つサンパティなどの高山植物の営みを豊富な写真で紹介する。
さらに、500年前にチベットから移住してきたと言われるシェルパ族の人たちの歴史と信仰、豊かな文化、そして山岳観光の発展とともに激変した暮らし振りを、当事者たちの言葉を交えて伝える。
この山の持つもう1つの魅力は、言うまでもなく登山家たちによる登頂の歴史だ。エドマンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイによる1953年の初登頂から、酸素ボンベなしでの登頂、冬季初登頂、初の女性登頂など、100年以上にわたる登山史の名場面を振り返る。
最後にベースキャンプのゴミ問題や、気温上昇で急速に後退するクンブ氷河などについても触れ、人間の足跡が「世界の屋根」にもたらしている影響について考察する。