「いのちの授業」の実践者であった教師・金森俊朗。その名が広く知られるようになったきっかけの一つは、2003年5月にNHK で放映された「涙と笑いのハッピークラス 4年1組命の授業」というドキュメンタリー番組であった。放映後は国内だけでなく、カナダのバンフテレビ祭(世界の教育番組を対象としたコンテスト)でアジア番組初のグランプリを獲得し、各国語に翻訳されて世界でも広く視聴され話題となった。これがきっかけとなり、2012年9月にはオランダに呼ばれ10日間にわたる大々的な講演ツアーを行っている。2020年3月に惜しまれつつ逝去した後も金森氏はオランダで広く知られ、具体的な動きとして、2023年9月からオランダで金森氏の教育実践から学びたいという教育関係者たちが集まり、「金森集会」が現在も開催されている。
著者は、番組放映から5年後、金森氏と同じ大学に勤める機会を得て9年間を共にし、2012年のオランダ講演にも同行。金森氏の根底にある教育観、人間観、子ども観、社会観、自然観とは、時代を超えて受け継がれるべき彼が追求していた教育の本質、根幹とは何か。彼の教育観から学び、今日の教育、特に学校教育にどう生かせるのか、未来への展望を導き出す。