日本最大規模の産廃不法投棄事件の訴訟と公害調停の記録
産廃を撤去させた豊島住民と弁護団の詳細なドキュメント
【資料集の特徴】
Ⅰ:豊島事件の経緯概要
1975年豊島の廃棄物処理業者が香川県に有害産業廃棄物の処理場建設を申請。住民は建設に反対し訴訟を起こしたが、香川県知事が産廃処理を許可し、訴訟は和解。ところが、1980年ごろからこの業者は許可条件に反して大量の廃棄物を持ち込み、野焼きなどの違法操業を続けた。住民は何度も香川県に業者の不法行為を訴えたが聞き入れられなかった。1990年11月兵庫県警が廃棄物処理法違反で業者を摘発。1993年11月住民は放置された廃棄物の撤去を求めて、公害調停を申請。調停委員会は国内初の産業廃棄物不法投棄現場での実態調査を実施。1997年8月に中間合意、2000年6月に最終合意。2016年度末までに廃棄物と汚染土壌の豊島からの搬出が調停書条文に明記された。2017年3月廃棄物の撤去完了後も産廃特措法の期限2023年3月末まで処分地内に残っている廃棄物処理事業の施設を全て撤去し、雨水を貯留して排水できるようにする作業などがすすめられた。2023年以降は自然浄化によって地下水が基準値以下になることを香川県の責任でモニタリングすることになった。2000年11月瀬戸内オリーブ基金を設立。オリーブの植樹など将来に向けた活動開始。
Ⅱ:資料集は豊島事件にかかわる1977年の訴訟記録から公害調停委員会の膨大な調書の掲載。さらに豊島住民のチラシや広報など、多彩な住民運動の詳細なドキュメントを収録。
1977年の豊島住民による産廃処分場の差止めを求める訴訟記録から、1990年までの被告側の供述調書など重要資料を収録したほか、公害調停委員会の膨大な調書を掲載し、事件の詳細な推移が理解できる資料となっている。また住民資料もチラシ、広報など多彩な住民運動資料をできるかぎり網羅した。資料総ページ数はB5判で約3900頁に及ぶ。
Ⅲ:住民代表と原告代理人と学者による丁寧な資料集の解題本『豊島のたたかい』を別冊として同封
5章にわたる豊島事件の時系列的な内容の詳述のほか、住民代表による論文、弁護団数人と大学研究者にそれぞれの視点で豊島事件について9件の学術論文を執筆していただいた。A5判340頁。