お前らには分からん
昼食と夕食の世話はしてくれるが
いつもそばにおる訳やない
お前らを責める訳やないが
やることもないので
横になり目を閉じるだけ
寝るのが好きなんよ
ぼんやり時間が過ぎ
いなくなったぽっかりから
できましたよ、食べましょう
声が聞こえるので
近づこうとすると
目が覚め
四畳半のいつもの炬燵
もうすぐ行かんといけん
何も迷惑はかけん
(「ぽっかり」より)
父が97歳だった数年前、実家に通いながら日常生活を約八ヶ月介助した。父の介助は、実家に二人で暮らしていた母が突然亡くなったからで、私たちは近くに住んでいたのだが何をどう介助したらいいか分からず、試行錯誤しながら対応した。賑やかだった母に比べ父はよく喋る方でもなく、この八ヶ月も語り合うことなどなかったが、父と向かい合い改めて人となりを感じることができた。その時に作ったものも含め本詩集では、故郷の門司へ戻ってから十一年間に作った詩をまとめた。
(あとがきより)