中世の秩序と法・慣習

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商品説明
徳政、強訴、起請文、囚人召し置き、後妻打ち、乱妨取り、死骸敵対、etc.
現代では想像もつかない成文・不文の法・慣習であふれていた中世社会。
特徴的な100の事例から多様な実像をあぶりだす。
中世社会の実態を知るために必読の、日本中世法、初の入門書。
目次
序論 中世の法・慣習・格言をめぐって 松園潤一朗

Ⅰ 人に関する法・慣習
 1 大犯三カ条 ――中世の重大犯罪 殺人・放火・盗み 西田友広
 2 死刑 ――追放・流刑は死刑に同じ 長又高夫
 3 流刑(流罪) ――自由刑と追放刑のあいだ 松園潤一朗
 4 囚人預け置き ――犯罪者を委託監禁する制裁 渡邉 俊
 5 追却 ――罪を犯した者を所属する共同体から排除 渡邉 俊
 6 切腹・太刀取 ――死刑の代わりに外見を変える 畠山 亮
 7 耳鼻削ぎ・火印 ――命の代わりに形を変える 畠山 亮
 8 下手人 ――殺人犯の責任を共同体で負う 松園潤一朗
 9 両方共に死罪 ――喧嘩をしたら即、死刑なのか 畠山 亮
 10 兵の道 ――平安期武士の武芸と合戦規範 清水 亮
 11 軍法 ――戦争に関わり広く存在した法 久保健一郎
 12 実犯現行せば見合いに討ち留むべし ――現行犯はその場で殺害 西田友広
 13 父子の咎、相互に懸けらるるや否や ――処罰が及ぶ関係者の範囲 西田友広
 14 妻敵討 ――夫が密通した男と妻を討つ理由 菅原正子
 15 後妻打ち ――夫を奪われた前妻の怨み 菅原正子
 16 名字を籠める ――名前を神仏に預け置く制裁 比企貴之
 17 鎌を取る・相当 ――村落間の境相論 銭静怡
 18 名簿奉呈・見参 ―臣従の証 清水 亮
 19 一揆 ――社会の諸階層において結ばれた連合 清水 亮
 20 一味神水 ――一揆結成の作法 赤松秀亮
 21 侍・凡下 ――中世の社会身分の一断面 田中大喜
 22 降参半分・返忠 ――降参した人の財産や裏切者の身柄を保護 田中 誠
 23 身曳・曳文 ――犯罪奴隷と債務奴隷 ホムロ・エハルト
 24 飢饉相伝の下部 ――災害時に頻発した身売り ホムロ・エハルト
 25 乱妨取り ――戦時の略奪は戦略か逸脱か 久保健一郎
 26 負物・年貢等弁済なくんば、扶持せしむべからず ――百姓・下人の移動の条件 田中大喜
 27 一五歳、七〇歳 ――責任能力が認められた年齢とその例外 田中大喜
 28 異類異形 ――俗世から逸脱した者たちの姿 菅原正子
 29 死骸敵対・教令違犯 ――絶対的ともいえる親の遺命 神野 潔
 30 嫁取り婚 ――夫の家に居住はするが扶養はされず 菅原正子
 31 去状 ――夫からの離縁状の真意 菅原正子
 32 走り入り ――避難所(アジール)への逃避と庇護 松園潤一朗
 33 公界往来人 ――勘気対象者の処罰 山口道弘
 34 過所船旗・上乗り ――海上における船の通行証 菅原正子

Ⅱ 物に関する法・慣習
 35 仏陀施入の地、悔い返さず ――寄進地の取戻しを不可とする観念 神野 潔
 36 清祓 ――神への謝罪・贖罪のため祭物を供する 渡邉 俊
 37 家を焼く ――焼却に込められた意思はどこに 渡邉 俊
 38 滅罪生善 ――寺院による財産没収を支える法思想 渡邉 俊
 39 寄船・寄物 ――漂着物は誰のものか 松園潤一朗
 40 山は山、野は野、先規のごとく ――山野の用益慣行 春田直紀
 41 山河は自他を分別せざる事 ――山河は共同の場 春田直紀
 42 およそ諸国の習い山・路の法、皆便に随い例によりて、これを定むことなり ――山と路のナワバリの主張 春田直紀
 43 当国鷹子の習い ――鷹のテリトリーは人間のナワバリ 春田直紀
 44 御浦の縁辺陸地に付きて、御海を進止すべし ――漁業権の範囲をめぐる慣習 春田直紀
 45 炭を埋める ――炭によって境界を公示する 松園潤一朗
 46 田を苅る(苅田狼藉、夜田を苅る) ――苅田をめぐる規制 山口道弘
 47 神木を立て、神灰を撒く ――人物から神物への差し押さえ 比企貴之
 48 当知行と号す ――土地の支配事実による権利の表示 松園潤一朗
 49 本領の習 ――没収地は本主に返す 田中大喜
 50 田麦は農民の依怙 ――麦作を百姓の所得とする慣行 清水 亮
 51 十分の一 ――町における家屋敷売買 銭 静怡
 52 夫婦同財・夫婦別財 ――公家法と武家法の異同 田中大喜
 53 嫡子・家督・惣領 ――相続人の地位とその変容 田中大喜
 54 悔返 ――譲与の撤回と公家法・武家法の相違 神野 潔
 55 一期分・未来領主 ――分割相続と嫡子単独相続のあわい 田中大喜
 56 土民去留 ――中世百姓の自由をめぐって 赤松秀亮
 57 相伝の理非 ――土地への権利取得の正当性 松園潤一朗
 58 本券・手継 ――文書の所持が権利の所在を証明する 伊藤啓介
 59 手継を引く ――中世の贓物法 山口道弘
 60 一倍の沙汰 ――中世の利息制限は総額規制 伊藤啓介
 61 国質・郷質・所質 ――債務者の属する共同体から質を取る 川戸貴史
 62 寄沙汰・請取沙汰 ――訴訟、あるいは自力救済の代行 伊藤啓介
 63 替銭・割符 ――荘園制下の送金と金融 伊藤啓介
 64 馬・牛あい放れ、作毛をくい候時 ――家畜所有者の損害賠償責任 松園潤一朗
 65 徳政 ――復古の理念と債権債務関係の破棄 川戸貴史
 66 分一銭 ――債権保護・債務破棄の手数料 川戸貴史
 67 徳政指置 ――戦国時代の徳政忌避の手段 川戸貴史
 68 弓矢徳政 ――戦争=失政からの回復 久保健一郎

Ⅲ 訴訟に関する法・慣習
 69 中人(近所の儀)――在地の有力者などによる調停 久保健一郎
 70 強訴 ――道理によらない集団的示威 比企貴之
 71 篠を引く・山林に交わる ――逃散の習俗 赤松秀亮
 72 公方の沙汰 ――公方担保文言の出現と機能 山口道弘
 73 庭中・高声・微音 ――直訴の場とその声の作法 田中 誠
 74 越訴 ――「上訴」から「再審請求」の意味に派生 長又高夫
 75 生口 ――証人は容疑者、自分で捕まえて連れて来い 畠山 亮
 76 起請文を書き、失を守る ――神仏を仲介者とした誓約と制約 比企貴之
 77 落書起請 ――犯人「発見」のための方法 渡邉 俊
 78 湯起請・鉄火起請 ――罪の有無を「神」に委ねること 田中 誠
 79 堺相論の法 ――物証・証人・起請で判定 長又高夫
 80 懸物押書 ――財産をかけた訴訟から誓約へ 神野 潔
 81 一方向 ――訴人の申立のみで係争地・物の安堵を命ずること 田中 誠
 82 礼銭・訴訟銭 ――訴訟を有利に進めるための金銭 田中 誠
 83 故戦・防戦 ――土地争いでの実行行使の応酬とその規制 松園潤一朗
 84 和与 ――無償の贈与から、和解手続へ 神野 潔
 85 獄前の死人、訴え無くば、検断無し ――事件があっても訴えがなければ刑事手続は行われてはならない 西田友広
 86 白状せしむるにつき検断を致すの条、先規なり ――自白を証拠とする処罰 西田友広
 87 贓物無くば、沙汰の限りに非ず ――物証に基づく処罰 西田友広
 88 二罪に能わざるか ――処罰は二重に行わないこと 西田友広
 89 田畠領掌の道、公験をもって先となす ――公文書による権利の表示 松園潤一朗
 90 右大将家の例 ――「御成敗式目」の理念 長又高夫
 91 年紀を経る ――多様な時効制度 松園潤一朗
 92 理非は安堵によらず ――裁許による安堵の否定 松園潤一朗
 93 悪口 ――悪口認定と法廷での秩序維持 神野 潔
 94 譲状 ――父母の譲りとその意志と 神野 潔
 95 二重成、半手・半納 ――戦争状況と年貢の二重賦課 久保健一郎
 96 因准の文を以て折中の理を案ずべし ――公家法曹の法解釈技法 長又高夫
 97 折中の法 ――衡平な法 長又高夫
 98 多分の儀 ――多数決による一揆の意志決定 田中大喜
 99 道理 ――中世的な正義の観念 松園潤一朗
 100 大法 ――広く意識された民間の法・慣習 松園潤一朗
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