特集:性決定機構の多様性
「性は誕生した時に決まり,一生変わらないもの」,世間では多くの人がそう信じて疑わない。
特にヒトの場合,性は二者択一であり,中間の性は存在しないというのが一般的な概念であった。
だが,生物学の最前線が明らかにするのは,性はそれほど単純に決まるものでもなく,絶対的なものでもないという事実である。
本特集では,性はいつ・どのようにして決まるのか,そのメカニズムは種によってどのように異なるのかについて,第一線で活躍中の各研究者たちが紹介・解説する。
性分化の基礎から,哺乳類の性を規定する遺伝子発現の制御の最先端,マウスや魚類で研究が進んでいる性決定や性決定遺伝子の多様性,ツチガエルから探る性染色体の進化,複雑で可塑性に富んだ魚類の性決定機構,性転換機構に重要な役割を果たしている脳の性分化,さらにヒトの性に関する諸問題についても生物学と医学の双方の視点から取り上げる。
本特集で性決定機構の複雑多様さ,簡単に結論づけられない問題が数多く存在することを知っていただければ幸いである。
ほか注目の特別寄稿「競技スポーツ界におけるアスリートの性判定について」や,各連載も必見(「実験観察の勘どころ」「高校生物・ワクワク宣言!!」「日本列島の多様な淡水生物 その進化と保全」「植物を集める!! 」「フォトコンテスト 生物科学学会連合」)。