不登校の増加、子どもや保護者のニーズの多様化、教員不足、働き方改革――。学校を取り巻く課題が複雑化する中、「担任一人で抱える学校」からの転換が求められています。
本書は、小規模校から大規模校まで11校の小・中学校の実践を通して、「チーム担任制」の導入の背景や運営方法、成果と課題を紹介するとともに、子ども・保護者・教員はチーム担任制をどのように受け止めているのか、その意義と可能性を研究成果を交えてひもときます。
チーム担任制によって、子どもたちは複数の教員と関わりながら安心して学校生活を送り、相談相手を選べるようになります。教員にとっては、一人で抱え込まずにチームで支援や指導を行うことが可能となり、教員同士の学び合いや若手育成、働き方改革にもつながります。そこには、「一人で抱える学校」から「みんなで支える学校」への変化があります。
チーム担任制に関心のある学校はもちろん、これからの学校づくりや担任制のあり方を考えるすべての教育関係者に、自校・地域での実践の手がかりとなる1冊です。
【目次】
序章 なぜ今、「チーム担任制」なのか
第1部 11校の実践からひもとくチーム担任制
●11校+教育委員会の「チーム担任制」実践早見表
【丹波市立中央小学校】「担任」から「チーム」へ――自律する子どもを育てる学校改革
【神戸市立摩耶小学校】チーム担任制を学校全体へ広げる――「いつでも・どこでも・だれとでも」の実践
【神戸市立東須磨小学校】多様な教職員の力を生かすチーム担任制
【神戸市立浜山小学校】教科担任制の先に見えた「みんなで育てる学校」
【神戸市立花山小学校】「やるき えがお つながる心」――「みんなでみんなを」育てる学校へ
【山形県米沢市立南原小学校】1人で1学年から、2人で2学年へ――小規模校の個業をチームに変える
【神戸市立雲雀丘中学校】学年全員で生徒を支えるチーム担任制
【神戸市立本山南中学校】若手が育ち、生徒が動く――大規模校のチーム担任制改革
【神戸市立神陵台中学校】多様な働き方でも「担任」はできる――勤務時間に合わせて支える「神陵台モデル」
【神戸市立義務教育学校港島学園前期】週替わり担任と「固定点」で「切れ目のない学び」を支える
【神戸市立義務教育学校港島学園後期】学年に応じて仕組みを変える「ウェルビーイング」をめざすチーム担任制
【神戸市教育委員会】神戸市におけるチーム担任制の構築と展開――児童生徒の主体性を育む、複数教職員による対応
第2部 データでひもとくチーム担任制の成果と課題
●教員調査の結果に見るチーム担任制が教員の意識に与えた影響
●チーム担任制の実践を通した教員の協働の実態
●アンケート調査に見るチーム担任制導入に関する児童生徒の受け止め方
●チーム担任制の実践から見る保護者の学校教育への期待
終章 チーム担任制が学校にもたらすもの