「道歌」と呼ばれる歌を詠み続けている庸軒の初の歌集。厳選の160首を収録
「天高く手を伸ばせども届かねば 歌に託さんわが志」
株式会社サンレー創立六〇周年記念出版
あとがきより
わたしが詠む歌はメッセージ性が強く、いわゆる「道歌」と呼ばれるものです。実際、わたしは心学で知られる石田梅岩や二宮尊徳の道歌を愛してきました。梅岩翁や尊徳翁の影響を強く受けていることは間違いありませんが、その中でもわたしは「礼」を意識した歌を詠んできたように思います。わたしにとって「礼」とは、生業である冠婚葬祭の基本思想であり、わが社のミッションである「人間尊重」を意味する核心的な概念です。「礼」の本質は相手を尊ぶ心であり、すべての人間関係の基礎となります。祝いの場で喜びを表し、悼みの場で静かに寄り添うなど、内面の敬意を具体的な行動や儀礼にすることに、わたしは最大の価値を置いています。そして、「天下布礼」という志を掲げています。
冠婚葬祭を通じて、礼の精神を世の中に広め、「おめでとう」と「ありがとう」の言葉が行き交う社会づくりのお手伝いをしたいです。それはそのまま、心ゆたかな社会としての「ハートフル・ソサエティ」を実現することでもあります。歌に託さん わが志」の志とは、「天下布礼」にほかなりません。