【解説】
『幕末維新懐古談』は、仏師・彫刻家の高村光雲によるものです。幕末に生まれて教育を受け、明治に生きた文化人で、その回顧談がそのまま江戸から明治への時代風俗の記録になっていて興味深いです。光雲が息子の高村光太郎や田村松魚を相手に語ったものですが、眼前で光雲が話しているように思われます。
この書籍では、高村光雲の息子で、画家・彫刻家としてだけでなく詩人としても名高い高村光太郎による『回想録』のうち、父・光雲のことを物語る「一」の部分を収録しました。『幕末維新懐古談』の補完になるかと思います。
※ウィキペディアより。
光雲は、「1852年に江戸下谷(現・台東区)に町人兼吉の子として生まれる。1863年(文久3年)から仏師の高村東雲の元に徒弟となる。明治維新以後は廃仏毀釈運動の影響で、仏師としての仕事はなく、輸出用の象牙彫刻が流行したために木彫も衰え、光雲自身の生活も苦しかった。そのような中で光雲は木彫に専念、積極的に西洋美術を学び、衰退しかけていた木彫を写実主義を取り入れることで復活させ、江戸時代までの木彫技術の伝統を近代につなげる重要な役割を果たした。」