『今日、誰のために生きる?』でお馴染みの、ペンキ画家SHOGENさん。かつて暮らしていた、アフリカ・ブンジュ村の人々からの学びや気づきを発信しながら日本各地の学校教育の現場で子供たちと暖かな交流の輪を広げています。そんなSHOGENさんが、「日本のブンジュ村」と呼び、深い感銘を受けたのが、滋賀県にある福祉施設「やまなみ工房」です。
本書は、SHOGENさんが「やまなみ工房」へと通いながら、施設長の山下完和さんと重ねてきた対話の記録です。そこで語られたのは、人が「その人のまま」安心して生き、力を発揮できる関係や環境についての深い考察でした。
障害や個性を既存の枠組みで捉えず、一人ひとりの「好き」「得意」「わからない」をそのまま受け止め、評価や競争を持ち込まずに表現を支える、やまなみ工房の実践。そこに、SHOGENさんがアフリカ・ブンジュ村で触れた、人と自然が調和し、今この瞬間を大切に生きる知恵が重なります。
「本当の自分」とは何か。誰もが安心して自分らしくいられる場所は、どうすれば生まれるのか。子育て、教育、福祉、職場、人間関係など、さまざまな場面に通じる二人の言葉から、相手を変えようとするのではなく、違いを受け入れ、待ち、信じ、共に生きることの意味を問い直します。
多様性を理念で終わらせず、日々の関係と環境のなかで実践するためのヒントを届ける一冊です。